小生は今、大月空襲を題材にしたショートドラマ動画の制作を進めています。
物語の中で重ね合わせるのは、戦時下を生きた一人の女学生のまなざしと、現代を生きる若者のまなざしです。
時代も、服装も、目の前に広がる風景も異なります。
それでも、家族を思う心、友人と笑い合う時間、明日が来ると信じる気持ちは、今を生きる小生たちと何も変わらなかったはずです。
だからこそ、小生が今回描きたいのは、戦争の悲惨さだけではありません。
学校へ行くこと。
家族と食卓を囲むこと。
友人と何気ない言葉を交わすこと。
そして、今日と同じように明日を迎えられること。
小生たちが「普通」と呼んでいる日常が、どれほどかけがえのないものであるか。
その尊さを、過去と現在をつなぐ短い物語の中に込めたいと考えています。
特記事項としては、小生が入院中に動画の製作を進めたことが更にその思いが強くなったことです。
AIとともに、記憶を映像へ
今回の制作では、複数のAI技術を組み合わせ、新しい映像表現に挑戦しています。
その中心となっているのが、CodexとRunwayです。
Codexでは、シナリオの流れを整理し、場面ごとのカメラワーク、構図、人物の動き、映像生成に用いる指示文などを細かく検討しています。
物語として矛盾がないか。視線や動作が前後の場面につながっているか。当時の空気を損なう表現になっていないか。小生自身が一つずつ確認しながら、制作設計を練り上げています。
そしてRunwayでは、その設計をもとに、一枚のイメージへ繊細な動きを与えていきます。
風に揺れる髪、ふと振り返るしぐさ、言葉になる前の表情、静かな町に流れる時間――。
ほんの数秒の映像であっても、見る人が違和感なくその場に入り込めるよう、何度も生成と修正を重ねています。
二つのAIを掛け合わせることで、頭の中にしかなかった情景が、少しずつ映像として立ち上がってきました。
技術の進歩に驚く一方で、最後に何を伝えるのかを決めるのは、やはり人の心であるとも感じています。
過去と現在の間にあるもの
戦争は、ある日突然、特別な人たちだけを襲うものではありません。
それまで続いていたごく普通の暮らしを分断し、当たり前だった未来を奪っていきます。
今回の映像では、詳しい内容をまだ明かすことはできませんが、遠い過去の出来事と、現在の何気ない一日が、ある瞬間にそっと重なります。
その場面を通して、小生は見る人に問いかけたいと思っています。
「普通の一日を、普通に生きられること」を、私たちはどれほど大切にできているだろうか、と。
歴史の記憶を次の世代へ
生成AIは、過去の事実そのものを置き換えるものではありません。
史料や証言を大切にし、確認できる史実と映像上の表現を分けたうえで、言葉だけでは届きにくい記憶を、次の世代へ手渡すための一つの方法であると小生は考えています。
まだ制作の途中であり、試行錯誤は続いています。
数秒の動きに何時間も悩むこともあります。思い描いた表情にならず、最初から作り直すこともあります。
それでも、テクノロジーの力を借りながら、過去に生きた人々の心と、今を生きる小生たちの日常を丁寧につないでいきたいと思います。
映像の全貌をお見せできる日まで、もうしばらくお待ちください。

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戦時下の少女と現代の若者が重なる瞬間…そこには、時代を超えて変わらない “人の時間” が流れているように思えます。
普通の日常が持つ尊さを、AIという新しい筆で描く試みは、とても興味深く、完成を楽しみにしています。
AIで製作する場合も台本はあるんですよね⁉ 折之笠監督の頭の中にあるアイデアやストーリーをまとめるためにも台本は必要かと思います。