音声を聞きながらどうぞ!
6月16日、待ちに待った燕の赤ちゃんが無事に誕生しました。
巣をそっと見上げると、モゾモゾと小さな命が動いているのが見え、まるでこちらを見ているかのようです。

この「折乃笠家」へ、そして「浅利」という場所へ、ようこそ!心から誕生を祝い、歓迎の気持ちでいっぱいです。
振り返れば、今年の5月12日に二羽の燕が我が家の玄関軒先に巣を作り始め、5月16日にはほぼ完成していました。彼らは遥か遠く、主に東南アジア(フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナムなど)から2,000kmから5,000km以上もの距離を数週間から1ヶ月以上かけて旅してくる渡り鳥です。その小さな体で海を越え、毎年同じ場所に帰ってくる生命力と帰巣本能は、まさに「生命力の象徴」であり、昔の人々にとっては驚異的で神秘的なものだったことでしょう。燕が人間の生活空間の近くに巣を作るのは、カラスやヘビといった天敵から雛を守るためであり、その家が「安全な場所」であるとツバメ自身が判断した証拠とされています。また、燕は蚊やハエ、アブなどの害虫を食べる「益鳥」とされ、特に稲作が盛んだった昔の日本では、豊作をもたらす守り神のような存在でした。
燕の夫婦愛もまた、深く心に響くものがあります。お母さん燕が巣で卵を温めている間、お父さん燕は必ず近くで見守り、時には巣の周りを飛び回って外敵が近づかないか目を光らせていました。巣に近づこうとすると威嚇するその勇敢な姿には、思わず後ずさりしたこともあります。しかし、私が夕方市役所から帰宅する際に口笛を吹く習慣を燕たちが覚えてくれたのか、最近では「おかえり」と言わんばかりに寄ってくるようになり、不思議な信頼関係が築かれました。まるで家族の一員として認めてくれたかのようで、その変化には心から喜びを感じています。
雛が生まれ、いよいよ避けて通れないのが“うんち”問題です。当初は市販の折りたたみ傘で応急処置をしましたが、最終的には木製のしっかりとした「うんち受け」を作りたいと考え、一級建築士である浅利副区長様にご相談しました。すると、なんとブログ記事を発信した翌朝には設計図が届き、その日のうちに立派な木製のうんち受けを製作・設置してくださったのです。その誠意と行動力には、感謝と感動で胸がいっぱいになりました。この出来事は、ツバメの訪れがただの風景の一部ではなく、周囲の人々の協力と温かさを引き出すきっかけとなっていることを教えてくれました。浅利副区長様の「ツバメが運ぶ幸運を分けて戴ければ幸いです!」という温かい言葉とともに設置されたこの「うんち受け」が、これから生まれてくるたくさんの赤ちゃんのうんちを全て受け止めてくれることでしょう。
昔から「燕が来る家には福が来る」と言い伝えられていますが、この「福」とは、金銭的な豊かさだけを指すのではありません。家族が健康であること、家内安全であること、子宝に恵まれ子孫が繁栄すること、商売がうまくいくこと、五穀豊穣であること、これら全てが昔の人々にとっての「福」でした。そして、ツバメの存在は、害虫駆除という実利はもちろんのこと、その生命力や巣作りから見られる「子孫繁栄」や「家庭円満」の象徴として、多方面からこれらの「福」を連想させるものだったのです。巣の中で新たな命が芽生え、家の中にもどこか優しい空気が流れているような気がします。まさに、燕は「幸運を運ぶ鳥」なのだと実感しています。
近年は都市化や農地の減少などにより、ツバメの数が減ってきていると言われています。だからこそ、我が家に燕が巣を作ってくれたことは、とても幸運なことだと感じています。これから、ヒナたちが日に日に大きくなり、やがて巣立っていく姿を間近で観察できるのは、何物にも代えがたい貴重な体験となるでしょう。もしかしたら、「ツバメが来たから福が来る」と信じ、ツバメを大切に思うその優しい心こそが、巡り巡って本当の「福」を呼び込んでいるのかもしれません。この小さな命の誕生が、私たち家族にさらなる温かさと幸せをもたらしてくれることを願ってやみません。
次回「その5」では、成長していく可愛いヒナたちの様子をレポートできればと思っております。どうぞお楽しみに!
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無事に雛が生まれて良かったです。これから雛が成長して巣立つまで折之笠さんもその成長記録で忙しくなると思いますが、楽しみですね。うんちの処理も大変ですが、頑張ってください!
カラスの場合、巣を作って雛が生まれると 神経質になり外敵が近づくと興奮して攻撃的になります。人が近づくと攻撃してくるシーンはよく見かけますが、ツバメの場合は 信頼関係が築かれれば家族の一員として認めてくれるところが、「福」を感じますよね!
次回「その5」では、成長していく可愛いヒナたちの写真(大きな口を開けてエサを待っている姿)を楽しみにしています。