人として何が大切か、真の幸せとは何か

人間らしく生きる

折乃笠 公徳

 

今回は、下記目次の中の「2.私は何故わからなかったのか」の内容 についてです。

1.ストーリー

命題「人として何が大切か、真の幸せとは何か」に対し

1. 私は何がわからなかったのか
 ぼんやりとしている問題意識をクリアにする

2. 私は何故わからなかったのか
 問題を層別しねらいを定めるために現在の状況を事実で確実につかむ

3. 私がわかるための目標を作る
 活動の狙いを定めて、成果をはかるものさしをつくる
4. 命題 私がわからなかったことを掘り下げる
 真因をつかむために、現状把握で取り上げた問題点をさらに深く調査
5. 命題 わからなかったこととは
 真因を発生させないために、対策とその実行計画を立てる
6. わからなかったことを解決するために
 実行計画に基づき、対策を確実に実行する
7. 効果を確認する
 目標に対してどのくらい効果があがったかを把握する
8. 更なる飛躍を考える
 対策を実施した効果が元に戻らないようにする
9. 私は何がわからなかったのか
 ぼんやりとしている問題意識をクリアにする

 

2.はじめに

「その5」では、「2.私は何故わからなかったのか」の要因を「自分」「自分以外」「環境」「思想」に分け、それぞれ要因分解を致しました。

更に「その6」 以降、「思想」について深く踏み入れ、要因の細分化を実施しています。  

先ず、以下の系統図を御覧下さい。

「その7」では、物理科学(物理学、化学)、生物科学(生物学)を報告しました。

「その8」では、社会科学を報告しました。

「その9」では、心理学以外の人文科学 を報告しました。

今回は、心理学について報告しますが、ボリュームが多いため、3回に分けて報告します。
  1. 心理学に対する折乃笠の思い 、フロイト、フランクル、フロム

  2.マズロー、トランスパーソナル心理学

  3.アドラー、全体まとめ

 

3.心理学に対する折乃笠の思い

心理学は、人間の心のメカニズムを科学的に解明する学問です。

小生は昔から興味があり、関連書籍や文献などを読んでいましたが、
「なるほどね!」程度に留めておりました。

今般、命題「人として何が大切か、真の幸せとは何か」を考えるにあたり
深く踏み込みたいと以下の書籍を読み直し又は新たに読みました。

短期間にこれだけの同じテーマの書籍を読んだのは初めてです。

心理学が抽象的な堅苦しいものと思っていましたが、読み進めるうちに
とても具体性があり、我々の身近な悩みを解決する道筋が示されている
部分も多々あることがわかりました。

心理学は日常生活だけでなく、ビジネスやスポーツなど幅広い分野で
活用されるため、自分が興味のある分野がどれかを把握すると
良いと思います。

また、一概に心理学と言っても、その分類は多く、また心理学者一人一人の
考え方も異なる部分が多々あります。

例えると、日本の仏教の様だと思いました。
真言宗:空海、天台宗:最長、日蓮宗:日蓮、浄土真宗:親鸞、臨済宗:栄西などなど。

よって、概略、その心理学が自分に向いているかを良く知った上で、
それを参考にする必要があります。

心理学を学ぶ上で避けて通れない三大巨匠といえば、フロイト、ユング、
アドラーの3人です。
心理学について詳しくない場合でも、名前だけは聞いたことがある人も
多いのではないでしょうか。

同じ時代を生きた3人は、精神医学を研究する精神科医であったということもあり、
学説に共通点も見られます。

しかし、フロイトの弟子であったユングも、共同研究者のアドラーも、フロイトが提唱した
「無意識」の概念を継承しつつ、異なる考えを持って研究を進めていきました。

それでは、折乃笠が推奨する心理学者とその理論を紹介していきます。

●は書籍や文献
◆は折乃笠のコメントです。

 

4.ジークムント・フロイト

◆心理学の第一人者はフロイトです。
小生、大学の時入門書を読みましたが、超固く現実離れをしていて、内容が超暗く、
それ以来、心理学の興味はしばらく無くなってしまいました。

●「意識は氷山の一角」というフロイトの無意識論
フロイトは、人間の行動にはすべて心理的な裏付けがあり、それは「無意識」だとしました。
私たちの発言・行動の多くは、意識的でも、無意識の影響が大きいというものです。
このフロイトの無意識の学説は、現在のカウンセリング技法に広く浸透しています。

◆無意識という自分では制御できない部分によって、自分の行動が決まってしまうのは、
正直残念ですね。
根性、努力、頑張り、みたいな汗臭さが、まったく感じられませんね。

●夢は無意識のあらわれ
フロイトは患者の心を分析するために、人間の無意識が顕著に現れる「夢」に着目しました。
無意識は、自ら自覚できない性質のものです。
フロイトは夢の分析で、無意識を探ることとしました。
目が覚めた時に、リアルに感情が動くような体験を、皆さんもしたことがあるのでは
ないでしょうか?

◆夢かあ~。この部分は触れないでおきます。

●エス・自我・超自我について
フロイトは、すべての人間には「エス(欲望)」と呼ばれる無意識層があるとしました。
これは自分にとって気持ちの良いものを求め、嫌なものは避けたいという気持ちです。
しかし、人間は成長の過程で社会に触れ、善意や倫理などの外圧と欲望であるエスを
調整していくすべを身につけます。
このときのエスと戦う心理的構造を「自我」と呼び、特に音楽・絵画・舞踏などは、
自我の力でエスを変形させた結果であると唱えました。
この考え方は、後の芸術観に大きな影響を与えることとなります。

また、教育などで形成される良心を「超自我」と呼び、こちらも周囲に迷惑をかけないように
自我を変形させた形であるとしました。
変形のレベルは人によって差があり、過剰になると他者に対して攻撃的になったり、
場合によっては精神を患う場合もあると考えました。

◆小生はこの部分が一番、重要と考えます。
エスと戦う心理的構造を「自我」と呼ぶことにとても興味がわきます。
これは、後述のマズローの欲求5段階説に関連してきます。
また、教育などで形成される良心を「超自我」と呼び、こちらも周囲に迷惑をかけないように
自我を変形させた形というところも、アドラー心理学に繋がります。

◆以上、フロイトの心理学は、やはり各心理学の基礎になっていることがよくわかりました。

 

5.ヴィクトール・エミール・フランクル

◆ヴィクトール・エミール・フランクルは、ナチスの強制収容所から奇跡の生還をした
精神科医で、『夜と霧』という体験談を著していて、世界に有名な方です。
フランクルは結婚して9ヶ月後に家族と共に強制収容所のテレージエンシュタットに
収容され、父はここで死亡し、母と妻は別の収容所に移されて死亡という経験をしています。

◆話を小生なりに要約すると
収容所の想像を絶する厳しい生活は、自己実現する道を断たれ感情消滅してしまう。
しかし、人間はなんでも可能だ。
内に秘めた愛する人のまなざしや愛する人の面影を精神力で呼び出すことにより
満たされることができる。
精神的に奮い立たせるには未来を思うことが必要だ。

◆そして、愛する人を精神力で呼び出すこと、未来を思うことができなくなてしまうと
人間はこれ以上ない極限状態(いつ殺されるかわからない、人間として扱われない、
希望がない)の追い込まれると人間としての感情はなくなり、獣化してしまう。

●いつか、解放された人びとが強制収容所のすべての体験を振り返り、奇妙な感覚に
襲われる日がやってくる。
収容所の日々が要請したすべてのことに、どうして耐え忍ぶことができたのか、
われながらさっぱりわからないのだ。
そして、人生には、すべてがすばらしい夢のように思われる一日(もちろん自由な一日だ)
があるように、収容所で体験したすべてがただの悪夢以上のなにかだと思える日も、
いつかは訪れるのだろう。
ふるさとにもどった人びとのすべての経験は、あれほど苦悩したあとでは、もはやこの世には
神よりほかに恐れるものはないという、高い代償であがなった感慨によって完成するのだ。

◆最後にフランクルは、極限状態から解放されてしばらくたつと幸福感がなくなり
むなしさだけが残ると言っています。
つまり、永遠に続く絶対的な幸福は無いと読み取れます。

 

6.エーリヒ・ゼーリヒマン・フロム

◆フロムは、ドイツの社会心理学、精神分析、哲学の研究者です。
ユダヤ系。マルクス主義とフロイトの精神分析を社会的性格論で結び付けました。

◆ベストセラーに「愛するということ」があり、「愛」を理論的に難しく語っています。
小生、20年前に読みましたが、正直屁理屈っぽくてあまり覚えていません。
今回、約2時間という時間枠を決めて、速読致しました。

●愛するという技術についての安易な教えを期待してこの本を読む人は、
きっと失望するにちがいない。
そうした期待とはうらはらに、この本が言わんとするのは、愛というものは、
その人の成熟の度合いに関わりなく誰もが簡単に浸れるような感情ではない、
ということである。

◆一本やられましたね。
この考え方は、キリスト教の「愛」と比較したくなりました。
キリスト教的な「隣人愛」は「愛」ではないのだとフロムは言っています。
宗教と心理学の比較、おもしろそうです。
新たな小生の課題にします。

●この本は読者にこう訴える  
自分の人格全体を発達させ、それが生産的な方向に向くよう、
全力をあげて努力しないかぎり、人を愛そうとしてもかならず失敗する。

満足のゆくような愛を得るには、真の謙虚さ、勇気、信念、規律をそなえて
いなければならない。
これらの特質がまれにしか見られない社会では、愛する能力を身につけることは
容易ではない。
愛は技術だ。知識と努力が必要だ。

◆めんどくっせ!
この考え方ですと、現代の恋愛論(思想、小説、ドラマ、歌、他)が全て
否定されてしまいます。
「愛」についてはいったん離れます。

●たくさん持っている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かなのだ。

◆これは良いですね。
小生が最も大事なものとしている「利他の心」に一致しています。

  

7.まとめ

今回は、フロイト、フランクル、フロムの心理学について紹介しました。

先ず、この御三人の心理学は、他と比べてたいへん難しいですね。
特に、この考え方を我々凡人が日常の生活の中でどう活かしていくか、
その具体性がもう一度考えねばなりません。

フロイトについては、その考え方から枝別れして行った
マズロー&その延長性にあるトランスパーソナル心理学、
アドラーについて考察する時に考えたいと思います。

フロムについては、命題 「人として何が大切か、真の幸せとは何か 」が宗教と
心理学が主課題になることがわかってきましたので 本題で考察したいと思います。
今回、「愛」で宗教と心理学の考え方が異なる好事例がわかったことは大きな成果です。

フランクルについては、「幸福」というものが本当にあるのかという否定的な観点で
心理学のまとめの時に考えたいと思います。

   

8.今後の進め方

次は、「人文科学」心理学のマズローとトランスパーソナル心理学を
深く勉強していきたいと思います。

 

9.引用 書籍や文献

1)書籍
夜と霧 ヴィクトール・エミール・フランクル著  みすず書房

愛するということ  エーリヒ・ゼーリヒマン・フロム著 紀伊国屋書店

  

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