9月26日(土)15時から、「夢酔藤山 大月講演(時代小説がひらく、小山田信茂の光と闇)」が開催されました。
小生が主担当として、準備や手配、当日の進行などを務めさせていただきました。
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当日は、好評発売中の小説『小山田信茂・光と闇の魍魎』の執筆裏話や、夢酔藤山先生の素顔に触れられる貴重なお話をうかがうことができました。
特に、小山田信茂公の幼年期やこれまでのイメージとは違った観点からの物語構成についてのお話は、非常に充実しており、大変興味深く聞き入ってしまいました。
講演の主な内容と先生の語り
1. 10年越しの執筆にかける執念と裏話
本作はネットの小説投稿サイトに掲載されたものですが、企画構想自体は10年以上前から温めていたものです。最初のプロットを出版業者に持ち込んだ際は「こんな硬い文学的なものはダメだ、もっと緩くしろ」と厳しい言葉を受け、一時はボツになりかけたといいます。しかし、「ここまで来たら最後までやり通す」という意地と執念で、多忙な執筆ラインの合間を縫ってコツコツと構想を形にし、現在の全3巻の構成へと繋げました。第3巻に向けては、ネット公開分よりも大幅に展開を工夫し、読者に楽しんでもらえるきっかけ作りにするとのことです。
2. 歴史の「決めつけ」に抗う、小説家ならではの解釈
世間一般では「小山田信茂=裏切り者」という固定観念やレッテルが根強く、大河ドラマなどの影響もあり定着してしまっています。しかし、人間には表があれば裏があり、結果がどうであれ「どのような目的や過程があってその結末に至ったのか」を掘り下げて考えることが重要です。歴史学者は厳密な文献や根拠が求められますが、小説家は「創作が許される領域」で、史実と史実の間を埋める接着剤として人間模様を組み立てることができます。定説とは異なる斜め上の視点を提示することで、読者に考える材料を提供したいと語られました。
3. 主人公・小山田弥五郎(信有)の成長物語
主人公である小山田弥五郎(のちの信有)は、同じ年に生まれた腹違いの兄弟でありながら、一方は当主としての光を歩み、一方は日陰の立場からスタートするという対比構造で描かれています。完璧すぎる「出来過ぎ君」ではなく、山本勘助や鬼美濃(原虎胤)らに厳しくしごかれ、数々の失敗や挫折、駆け引きを経験しながら人間として大きく成長していく姿が生き生きと描写されています。周囲の大人たちに可愛がられ、泥臭くも知恵をつけていく過程こそが、読者が共感し愛される人物像につながっているのです。
参加者の皆様との交流と懇親会
講演の最後には質疑応答も行われ、大学時代の思い出や歴史解釈に対する熱い意見交換など、普段は聞けないここだけの裏話やユーモア交じりのトークに会場は大いに盛り上がりました。
参加者の皆様もたいへん喜んでくださり、講演があまりにも楽しく盛り上がったため、その後の懇親会にも急遽ご婦人の参加者が加わってくださるなど、終始和やかな笑顔と温かいお酒の席に包まれた一日となりました。
甲州の戦国史や小山田家に対する世間の評価が、より骨太で多面的な視点で見直され、大月をはじめとする郡内地域全体の魅力がさらに発信されるきっかけになってほしいと願っております。
ご出席いただいた皆様、そして関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。
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