小生、地元である大月市浅利地区の公民館長を務めております。

去る9月14日の日曜日は、我らが浅利の氏神様、神田神社の秋の祭典が執り行われました。

澄み渡る秋空のもと、厳かに神事が進められ、地域の安寧と五穀豊穣を祈願いたしました。

神事が終われば、お待ちかねの「直会(なおらい)」です。地域の皆様と杯を酌み交わし、談笑するこのひとときは、祭りの大きな楽しみの一つであります。

さて、その直会の席も和やかに進んでいた午後1時半。小生、皆様にご挨拶し、少々心苦しいながらも中座させていただきました。

実は、この日、どうしても足を運びたい場所があったのです。

向かった先は、浅利から見て隣の隣の隣に位置する、真木地区。

かねてより、同じ大月市にありながら、なかなかゆっくりと訪れる機会がなかった真木地区で、諏訪神社の秋の祭典と、近くの「星の駅・真(まこと)」で秋祭りが同時開催されていると耳にしていたのです。

「たまには大月他地区との交流も必要だ」。そんな思いが、小生を突き動かしました。

車に同乗し、真木地区に到着してまず驚かされたのは、その賑わいの規模感でした。

我らが神田神社の祭典が、親しい者たちが集う家庭的な温かさを持つものだとすれば、こちらの真木諏訪神社の祭典は、まさに「盛大」という言葉がふさわしいものでした。勇壮な獅子舞が舞い、威勢の良い掛け声が響き渡ります。境内には多くの屋台が立ち並び、香ばしい匂いが食欲をそそります。そして何より、老若男女、大勢の参拝客でごった返しており、その熱気たるや、大変なものでした。

我らの祭典とのあまりの違いに、しばし圧倒されておりましたが、ふと一つの共通項を見つけ、思わず口元が緩みました。両社の神事を司る宮司様が、同じ方だったのです。宮司様は、さぞお忙しい一日だったことでしょう。この広い大月市を繋ぐ、一つの大切な縁を感じた瞬間でした。

久方ぶりに訪れた真木諏訪神社。その荘厳な佇まいに、改めて心打たれました。特に、拝殿の奥に鎮座する本殿の素晴らしさには、時間を忘れて見入ってしまいました。傍らに立つ案内板に目をやると、この神社の持つ深い歴史が記されています。

案内によれば、真木諏訪神社は、かの信濃国一宮である諏訪大社から御分霊を賜った、由緒正しき神社とのこと。古くは狩猟や牧場の守護神として、そして中世以降は、この地を治めた領主から武神として篤い信仰を集めてきたそうです。現在の本殿は、江戸時代後期の文政10年(1827年)に再建されたもの。小生が息をのんだのも無理はありません。本殿全体が、龍や獅子、そして様々な縁起の良い動植物の見事な彫刻で埋め尽くされているのです。その一つひとつの彫刻の精緻さと躍動感は、まさに江戸文化の粋を集めた芸術品であり、大月市の文化財に指定されているというのも大いに頷けます。

主祭神である建御名方命(たけみなかたのみこと)の武勇にあやかり、多くの武将が戦勝を祈願したというこの場所で、200年近くもの間、風雪に耐え、地域の営みを見守り続けてきた本殿。その前に立つと、先人たちの祈りや、職人たちの魂の叫びが聞こえてくるかのようでした。自分の住む町の、ほんの少し足を伸ばした場所に、これほどまでの「宝物」が静かに息づいていたことに、改めて感動を覚えずにはいられませんでした。

荘厳な神社の空気に心を洗われた後、小生はもう一つの秋祭り会場である「星の駅・真」へと向かいました。ここは、諏訪神社からほど近い場所にある、実に興味深い施設です。

「星の駅・真」は、単なるカフェや物産店ではありません。「地球循環型インフォメーションセンター」と「衣食住の心地よいものセレクトショップ」を兼ね備えた、新しいスタイルの地域拠点なのです。併設された「ビソワマルシェ」では、地元の方々が丹精込めて育てた新鮮な野菜や山菜が並びます。美味しいカレーが名物のカフェスペースもあり、多くの人々で賑わっていました。

こちらのマスターとは顔なじみということもあり、小生、すっかりリラックスモードに。冷えたビールを片手に、屋外ステージで繰り広げられるバンドの生演奏に耳を傾けます。心地よい音楽が、真木の空に溶けていく。なんとも贅沢な時間です。

店内では、たまたま居合わせた大学生たちと、思いがけず「ガストロノミー対談」で盛り上がりました。地元の食材をいかにして魅力的な一皿に変えるか、食を通じていかに地域を盛り上げていくか。若者たちの柔軟な発想と熱意に触れ、公民館長としても大いに刺激を受けました。世代を超え、地区を超え、こうして語り合える場があることの素晴らしさを実感した次第です。

地元の浅利地区で過ごす時間も、もちろんかけがえのないものです。

しかし、今回のように外に出てみると、そこには新たな発見と、心温まる出会いが待っていました。

同じ大月市でありながら、地区ごとに異なる文化があり、歴史があり、そして魅力的な人々がいる。そのことを、身をもって体験することができました。

慌ただしい日常から少しだけ離れ、隣町の祭りの賑わいに身を浸し、ゆっくりと流れる時間を楽しむ。こうした経験は、心を豊かにし、明日への活力を与えてくれます。そして何より、自分の住む地域を、より広い視野で見つめ直すきっかけにもなりました。

「すぐ近くに宝物がいっぱいあります」。

 

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