ひょんなことから、『どぶろく』を飲むことになりました。

場所は、桃太郎伝説が語られる「桃太郎神社」。 集まったのは、小生を含む飲んべえ三人衆であります。
小生、もともと日本酒の「にごり酒」が大好きで、お正月には必ずと言っていいほど愛飲しておりました。あの白く濁った独特の風情、口に含んだ時のとろりとした舌触り。あれこそが日本の冬の楽しみの一つだと思っています。
しかし、今回飲んだのは「にごり酒」ではなく、正真正銘の『どぶろく』。 杯を傾け、我々三人はいつしか壮大な「夢構想」について熱く語り合っておりました。
さて、読者の皆様は「どぶろく」について詳しくご存じでしょうか?
「にごり酒と同じようなものでしょう?」と思われる方も多いかもしれませんが、実は少々事情が異なります。この機会に、小生が仕入れた知識を少しばかりご披露いたしましょう。
まず、「どぶろく(濁酒)」とは、米と米麹、水を原料として発酵させ、その「もろみ」を一切濾(こ)さずにそのまま製品化したお酒のことを指します。 一般的な日本酒(清酒)やにごり酒との最大の違いは、この「濾す(しぼる)」工程があるかどうかにあります。酒税法上、少しでも濾せば「清酒」あるいは「にごり酒」となり、全く濾さなければ「その他醸造酒(どぶろく)」となるのです。
その味わいは、まさに「米を食べる」感覚。お米本来の強い甘みと発酵による酸味のバランスが絶妙で、火入れをしていない「生」の状態のものであれば、瓶の中で酵母が生きており、シュワシュワとした微発泡感さえ楽しめます。栄養面でも、酒粕になるはずの米の繊維やビタミンB群を丸ごと摂取できるため、美容や健康にも良いとされているのですから、飲んべえにとっては免罪符のようなありがたいお酒でもあります。
そんな魅力的な『どぶろく』を飲みながら、我々が語り合った「夢構想」。
それは、まだ海のものとも山のものともつかぬ話ではありますが、「いつか景色の良い里山で、自分たちの手でどぶろくを造り、皆で楽しむ場所を作れたら面白いのではないか」という妄想であります。
舞台として思い描いたのは、都心からもほど近く、富士山を望む絶景が広がる、とある里山です。
もしもそんな場所で、自分たちの手で土を耕し、米を育て、その米を使ってどぶろくを醸すことができたなら……。
現代の都市生活者が忘れてしまった「精神的な豊かさ」を取り戻す、最高の隠れ家になるのではないでしょうか。
春には皆で田植えをし、秋には黄金色の稲穂を刈り取る。そして冬には、その米で仕込んだ出来立てのどぶろくを、絶景を眺めながら味わう。 「農」と「醸」が循環する、まさに大人のための秘密基地です。そこに行けば、美味しいどぶろくと、地元の食材を使った温かい料理が待っている。そんな場所があったら素敵だと思いませんか?
もちろん、お酒を造るというのは法律的にも非常にハードルが高いことですし、そう簡単に実現できることではありません。 「地域を盛り上げるために何か特別な方法はないか」「行政の方々と協力できないか」などと、酔った頭で色々と作戦を練ってはみましたが、現時点ではあくまで我々三人の頭の中に浮かんだだけの幻影に過ぎません。
けれど、桃太郎神社の神様の前で、美味いどぶろくを飲みながら語らったあの時間は、確かに何かが動き出す予感に満ちていました。
「米作りから酒造りまでを体験できる場所」。 そんな夢のような場所が、いつか日本のどこかの里山に生まれることを願って、今夜はもう一杯、にごり酒をいただくとしましょうか。
小生たちの夢構想、皆様はどう思われますか?
進展がありましたら、またこのブログでこっそりとご報告させていただきます。
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