12月13日(土)、大月市民会館大ホールにて、映画『長篠』の先行上映会が行われました 。

映画上映に先立ち、大月市長のビデオ挨拶に続き、我ら 「小山田信茂公顕彰会」 の役員メンバーは壇上に上がり、一人一人御挨拶をしました。
小生もその末席にて、緊張しながらも、自己PRを含めて一言申し上げた次第です。
その後、約2時間の上映が行われ、上映終了後には宮下玄覇監督、および出演された役者さん3人によるトークショーが行われました 。
小生、久々の劇場での迫力ある戦国時代映画にすっかり魅了されました。
昨今のCG多用の綺麗なだけの時代劇とは一線を画す、泥と血と汗の臭いが漂ってくるような映像。 長篠の合戦という観点での武田軍団の葛藤がリアルに再現され、武田勝頼、小山田信茂、そして武田二十四将(劇中では二十三将とも)のそれぞれの人格を、深く知ることができました。
それでは、興奮冷めやらぬまま、映画『長篠』の解説と、小生の感想をここに記します。
- 映画『長篠』とは――450年の時を超えた鎮魂歌
本作は、1575年(天正3年)の「長篠・設楽原の戦い」から450年という節目に合わせて製作された本格時代劇です 。監督は、前作『信虎』で徹底的な時代考証を行い、歴史ファンの度肝を抜いた宮下玄覇氏。

本作の最大の特徴は、これまでの通説であった「織田軍の鉄砲三段撃ち」や「武田騎馬隊の無謀な突撃」といった、いわゆる『影武者』的なイメージを大胆に覆している点にあります 。最新の学説に基づき、馬防柵を前にした武田軍の苦悩と、鉄砲の脅威に晒されながらも活路を見出そうとする「人間・武田軍」の姿が描かれています。
物語は、長篠の戦場だけでなく、その敗戦がもたらした波及効果として、美濃岩村城の悲劇――秋山虎繁(演:金児憲史)とおつやの方(演:楊原京子)の運命――にも焦点を当てた群像劇となっています 。しかし、我々大月の人間にとって何より重要なのは、勝頼公を支え、あるいは諫め、共に死地へ向かった家臣団の描写でありましょう。
- トークショーで明かされた製作秘話
上映後のトークショーには、宮下監督に加え、以下の3名のキャストが登壇されました 。
坂本三成 殿(原昌胤 役)
萩田博之 殿(内藤昌秀 役)
初鹿裕美 殿(吾妻・女透破 役)

監督の口からは、甲冑や衣装への並々ならぬこだわりが語られました。プラスチックではなく本物の素材に近い質感、そして戦場の「音」。刀が肉を断つ音、銃声の重み。それらが観客の五感を刺激し、当時の戦場に放り込まれたかのような錯覚を覚えさせます 。 また、役者の方々からは、演じる武将たちの最期をどのように解釈し、演じきったかという熱い想いが語られ、会場は深い感動に包まれました。
- 小生の感想――小山田信茂公、そして勝頼公への想い
さて、ここからは小生の個人的な感想を述べさせていただきます。
■ 誤解なき「小山田信茂公」の姿
我ら顕彰会として最も注目していたのは、やはり郷土の英雄・小山田信茂公(演:佐藤俊作) がどう描かれるかでありました。 歴史の教科書や通俗的なドラマでは、後に勝頼公を裏切る「逆臣」として描かれがちな信茂公。しかし本作では、武田家の存続を第一に考え、冷静に戦況を分析する知将としての側面がしっかりと描かれていたように感じます。 長篠のあの激戦の中、彼が何を思い、どのような決断を下したのか。その苦渋の表情は、単なる裏切り者のそれではなく、家と領民を守ろうとする領主としての重責を背負った男の顔でした。我々の活動が報われたような、胸が熱くなる瞬間でした。
■ 武田勝頼公の孤独と決断
そして、小堀正博殿が演じた武田勝頼公 。 偉大すぎる父・信玄公の影に怯えながらも、自らの時代を築こうともがく若き当主。長篠での開戦決断は、決して無謀な愚行ではなく、彼なりの論理と、そうせざるを得なかった状況があったことが痛いほど伝わってきました。宿老たちとの軍議のシーンにおける、張り詰めた空気感は圧巻の一言です 。 「勝つために戦う」のではなく「負けられないから戦う」という、追い詰められた者の悲哀。それが勝頼公の背中から滲み出ておりました。
■ 武田二十四将の「水杯」
映画の中で描かれた、決戦前夜の「水杯(みずさかずき)」のシーン 。 馬場信春、内藤昌秀、山県昌景といった歴戦の猛者たちが、死を覚悟して杯を交わす。言葉少なに視線を交わすだけで、互いの覚悟を理解し合う姿は、まさに「武士(もののふ)」の極致。 彼らは知っていたのでしょう。この戦が、武田の終わりの始まりになることを。それでも主君のために散ることを選んだ彼らの生き様は、450年の時を超えて、現代を生きる我々の心に強く訴えかけるものがありました。
いや~ ほんと映画って良いですねえ~!
その後、家内と富士吉田の道頓堀で、お好み焼きともんじゃにて興奮覚ましを試みましたが、鉄板の暑さとハイボールにてされにデッドヒートしてしまいました。
◆お願い (お手数お掛けします) ブログを読まれた方は下記2つのボタンを順番にクリックをお願いします。 クリックしてアクセスするだけで点数が入り(投票され)順位が上がります。 アクセス後は何もせず、本ブログに戻ってきてください。
