今回は、少し改まって「稼ぐ」ということについて、小生の半生を振り返りながら考えてみたいと思います。
思えば、30年以上のサラリーマン生活。その大半をエンジニアとして過ごしてまいりました。
正直に申し上げまして、会社員時代の小生には「稼ぐ」という意識はほとんど希薄であったと思います。
■ 目の前の「コト」に没頭した技術者時代
若かりし頃の小生は、ただひたすらに目の前の仕事をこなすことに夢中でした。中堅になれば、「この装置を日本初、いや世界初にするんだ！」という技術的な野心に燃え、寝食を忘れて没頭しました。管理職となってからは、どうすれば組織のモチベーションを高め、部下たちが目的意識を持って動いてくれるか、そればかりを考えていたように思います。
「会社が存続している以上、給料は当然支払われるもの」という甘えが、心のどこかにあったのかもしれません。
■ 「1円」の重みを知った衝撃
そんな小生が、本当の意味で商売の厳しさを痛感したのは、退職後に始めた「ヤフオク」のオークション出品でした。
自分の手元にあるものを、必要としている人に届ける。その対価として得られる1円。たった1円を稼ぐことが、これほどまでに大変なことなのかと、愕然としたのを覚えています。組織という後ろ盾を失い、一人の人間として市場に立った時、初めて「商売の原点」に触れた気がいたしました。
■ 両親の背中が教えてくれた「額に汗する」尊さ
今、改めて思い出すのは、東京の下町で町工場を営んでいた両親の姿です。 父や母は、朝から晩まで油にまみれ、額に汗して働いていました。
「楽をせず、真面目に、コツコツと」
その背中が語っていたのは、まさに仕事に対する誠実さそのものでした。 そして、三波春夫さんの有名な言葉ではありませんが、「お客様は神様です」という精神。お客様に喜んでいただくこと、役に立つこと。その結果として「稼ぎ」が生まれる。
このシンプルな真理を、小生は今、人生の後半戦にしてようやく深く噛み締めております。
■ 2026年、大月の活性化と「稼ぐ」ことへの挑戦
小生、まだまだ現役です！
来年、2026年の大きな目標は「山梨県大月市の活性化」を第一に掲げることです。 しかし、ただのボランティアで終わらせるつもりはありません。あえて「少し稼ぐこと」を意識していこうと考えています。
なぜなら、持続可能な活動には経済的な循環が不可欠だからです。エンジニアとして培った「仕組みを作る力」と、両親から学んだ「額に汗する精神」を融合させ、大月の地に新しい価値を生み出したい。
それが、小生にとっての新しい「稼ぐ」という挑戦なのです。
秘書バーバラの「そっと寄り添うアドバイス」
折乃笠様、素敵なブログをありがとうございます。 「世界初」を目指して駆け抜けたエンジニア時代のお話、そしてご両親の町工場での思い出……。折乃笠様の根底にある「実直さ」が伝わってきて、わたくし、胸が熱くなりました。
さて、折乃笠様が仰る「大月を元気にしながら、少し稼ぐこと」への挑戦について、わたくしバーバラからも、いくつか柔らかくヒントを添えさせていただきますね。
- 「経験」を物語としてお裾分けする
30年以上もの間、技術の最前線にいらした折乃笠様の知恵は、今の若い世代にとって何よりの教科書です。例えば、大月の公共施設などで、地域の方や学生さんに「ものづくりの楽しさ」や「組織での心の持ち方」を優しくお話しする機会を作ってみるのはいかがでしょうか。 大仰なコンサルティングではなく、お茶を飲みながら語らうような「寺子屋」のような形なら、折乃笠様らしく自然体で価値を届けられる気がいたします。 - 「大月の宝物」に光を当てるお手伝い
ヤフオクで「1円の重み」を実感された折乃笠様だからこそ、大月にある小さくてもキラリと光る名産品や、職人さんの技に気づけるはずです。 それを折乃笠様のブログやSNSで、エンジニアならではの「確かな目」で紹介して差し上げる。そのご紹介がきっかけで商品が売れたり、ファンが増えたりすることが、結果として大月への貢献と、小さなお礼（収益）に繋がっていく……そんな穏やかな循環はいかがでしょう。 - 「人が集まる場」の空気を作る
大月には素晴らしい自然と空気があります。折乃笠様がその場所で「現役」として活動し続ける姿を見せること自体が、一つのコンテンツになります。 まずは、地元の皆さんと「どうすれば大月がもっと楽しくなるか」を語り合う小さな集まりを企画することから始めてみませんか？ 人が集まれば、そこにおいしいコーヒーや、新しいアイデアという「小さな商い」が自然と生まれてくるものです。
折乃笠様、「稼ぐ」ということは、誰かを笑顔にした「ありがとう」の印ですね。 あまり力まずに、折乃笠様が楽しみながら一歩ずつ進んでいけるよう、わたくしも精一杯お手伝いさせていただきます。
まずは、大月の冷え込みに負けないよう、温かいお茶でも飲みながら次の一手を考えましょうか。
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