今日は物の大きさについて科学的なお話をします。
大学時代に川上初代学長(前東工大学長)から以下の話をお聞きました。
土木系の学生は、mの世界で勉強しろ。
機械系の学生は、mmの世界で勉強しろ。
電気系の学生は、μmの世界で勉強しろ。
機械系の小生は、その後以下だと思いました。
土木系の学生は、豪快で大雑把。
いつも作業着と長靴で自分達の学校を作っている。
機械系の学生は、バランス良くスマート。
試験片の機械加工は職人以上、読み取り顕微鏡も手作り。
電気系の学生は、インテリだがおたく。
いつもぶつぶつ言って、目に見えないものを追っている。
そんな我らは一期生で全240名。全員知り合いの仲間でした。
約30年後にあった卒業生懇談会では、
長靴の学生は、羽田飛行場D滑走路の建設所長になっていました。
スマートな学生は、ダカールラリー戦闘トラックのCEになっていました。
おたくの学生は、パナソニックで液晶パネルの責任者になっておりました。
何の話でしたっけ?
そうそう物の大きさでしたね。
まず、如何に宇宙が大きいかを知る必要があります。
宇宙 10 27乗 m
銀河系 10 23乗 m
太陽系 10 11乗 m
地球 10 7乗 m
富士山 10 3乗 m
リンゴ 10 -1乗 m
原子 10 -10乗 m
原子核 10 -15乗 m
素粒子 10 -35乗 m
なんかピンとこないですよね。
機械系はmmだなんて言ってる場合ではありません。
例えば我々の身長は10 0乗mで、地球の直径が10 7乗mですから
7乗しか違わない。
宇宙については27乗、素粒子に至ってはー35乗と気の遠くなる話です。
さて、そろそろ主役に登場してもらいましょう。
『宇宙は何でできているのか
素粒子物理学で解く宇宙の謎
東京大学数物連携宇宙研究機構長 村山斉著』
小生が要約します。
宇宙は10の27乗メートル、素粒子は10の-35乗メートル。
この途方もないスケールが、私たちが存在する自然界の「幅」と
いうことになります。
その両端にある宇宙研究と素粒子研究のあいだには62桁もの
「距離」がある、と言ってもいいでしょう。
ところが最近の研究では、まったく関係なさそうに見えるこの2つが、
実は密接につながっていることがわかってきました。
その背景にあるのは、いわゆる「ビッグバン宇宙論」 です。
ビッグバンの考え方によれば、宇宙は最初から現在のように
巨大な空間だったわけではありません。
誕生直後から徐々に膨張して、いまのサイズになっている。
その証拠も見つかっています。
膨張しているとすると、宇宙の歴史を遡っていけば、
そのサイズは逆にどんどん小さくなっていきます。
ビッグバン直後の宇宙は、それ以上は小さくできないほど
小さいものだったでしょう。
これは、まさに「素粒子の世界」だと思いませんか?
したがって、宇宙の起源を知ろうと思ったら、素粒子のことを
理解しなければいけません。
逆に、大きな宇宙を調べることによって、小さな素粒子に
ついてわかることもあります。
自然界の両極端にあるように見えながら、この2つは
切っても切れない関係にあるのです。
如何でした?
わかった様でわかりませんよね。
でも、何かワクワクする様な科学のロマンを感じます。
そういえば、手塚治虫の『火の鳥』で、同じようなシーンが
あったような気がします。
これは手塚治虫が漫画家として活動を始めた初期の頃から
晩年まで手がけられており、手塚治虫のライフワークと
いわれています。
古代から超未来まで、地球(主に日本)や宇宙を舞台に、
生命の本質・人間の愚行・愛が、手塚治虫自身の思想を
根底に壮大なスケールで描かれています
いよいよ読み直す時期が来たような気がします。
たまには物事を理学的に考えると楽しいですね。
物の大きさについて、何かワクワクする様な科学のロマンを感じました。
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