皆さん、タイヤって知ってますか?
黒くて丸くて空気が入っていて転がるもの。
そう! でも知れば知るほど奥が深く、まだまだ進歩が続く
重要な装置なんですよ。
皆さん、車の三大機能って、何だかわかりますか?
とっても簡単な言葉で表現されるんです。
「走る」「曲がる」「止まる」 なんですよ。
実は、タイヤは車の部品の中で路面に接している唯一の部品で、この三大機能を全て担っている最重要部品なんです。
タイヤ一本の接地面積は、わずか手のひら1枚~2枚分です。
タイヤへの要求性能は
走る:駆動力を効率良く伝達する必要がある。
外乱があっても常に真っ直ぐ走る必要がある。
曲がる:ドライバーがタイヤを切ったとき
横力を発生させ、ドライバーの思い通り
に車両を曲がらせる必要がある。
止まる:ブレーキを掛けた時、最小限の距離で
止まる必要がある。
更に
乗り心地:快適な乗り心地を提供する必要がある。
静寂性:車は増々静かになってきたため、より静寂性が必要である。
路面感受性:道路のドライ or ウエットでも同じ性能が要求される。
更に、大型トラックの場合
積む:最大積載量を得る為の軽量化、
低床化による最大荷台容積を得る為の小径化が必要である。
燃費:最小転がり抵抗が必要である。
寿命:メンテナンス費低減のため、高寿命が要求される。
皆さん、タイヤって凄いと思いませんか?
タイヤは、車両と地面を結ぶ唯一のインターフェイスであることから
当然なんです。
フランスの世界的なタイヤメーカーのミシュランから
当時、出張した時に強調されたことは、
『タイヤは常に進化を続ける高度な工業製品です。
鉄鋼業、繊維業、化学工業の枠を集めた200もの部品からできています。
その設計、製造過程はきわめて複雑で、わずかな欠陥も許されません。』
日本のトップメーカーのブリヂストンも全く同じことを言っています。
皆さん、これからはタイヤを「大きくて黒くて汚くて怖いもの」と思わず、
「車を全面的に支える影の功労者」と思ってくださいね(笑)。
ここから余談
実は、小生が所属していた設計部は、シャシ機構部品関係の設計部署で
タイヤも設計していました。
また、ステアリングホィール(ハンドル)も設計していました。
ステアリングホィールは、ドライバーと車両を常時結ぶ唯一のインターフェイスです。
よって、会社内外向や新人獲得PRでは、
「我が部は、ドライバーと車両を常時結ぶ唯一のインターフェースのステアリングホィールと
車両と地面を常時結ぶ唯一のインターフェースのタイヤを設計する最重要部署です。」
と声を高々に吠えていました。
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タイヤの役割・機能を改めて確認すると、タイヤって凄いですね!
『タイヤは常に進化を続ける高度な工業製品だと言うことがよく分かります。
小生はタイヤは担当しませんでしたが、フロントアクスルを担当していた時に操縦性・安定性もやっていて、一番に苦労したのが中型トラックのワンダリング現象の改善でした。
バイアスタイヤとラジアルタイヤでキャンバスラスト力が異なる(or方向が逆)ため、ワンダリング現象を緩和するためキャンバ角を小さくしたアクスルを試作したりしていましたが、結局 ワンダリング対応タイヤが開発されて、それでクレームが収まったと記憶しています。(大型4社の担当者はみんなタイヤに感謝だったと思いますよ!もしかして折乃笠さんも感謝だったりして・・?)
ちょっと専門的な話になって申し訳ありません。
だから、タイヤは今も進化し続けているんでしょうね!
*ワンダリングとは、
大型トラックが路面につくった轍にトレッドが狭い中型トラックの片輪が入り込み抜け出せない、抜け出すためにハンドルを切ると反対側の轍に片輪が入り込んで真っすぐに走れない現象。
⇒小生は当時、道路の轍を補修することが根本対策だ~なんて言ってた毛。