小生、時々会社時代に我が部や社内に発信していたブログを
読み返すことがあります。

それは、”過去”の自分と”現在”の自分を比較するためです。

「考え方が若けなあ~」
「結構、毛だらけ、猫ハエだらけ、良いこと言っているなあ~」
「現在の自分は、成長していないなあ~」
「過去の自分も捨てたもんじゃねえ~」
「現在の方が前向き思考だな」
などなど。

さて、今回紹介するのは、当時の部下からもらった質問に対し、
汗をかきながら考え答えているものです。

答えの内容はもう一つかもしれませんが、一生懸命感があって
なかなか面白いです。

是非お読みください。

◆部下からの質問

『いつも楽しく拝読させて頂いています。

さて、今週のブログは名言について語られていましたので、
私の最近の悩みをご相談させて下さい。

フランスの哲学者であるルネ・デカルトという方の言葉で、
下記があります。

『我思う、故に我なり』

この意味がどうしても理解できないのです。
私なりに調べてみると、「世の中の様々な事柄に対し、
自身が色々な疑いを持ったとしても、それらを疑っている自身は
疑い様が無い(=事実である)」という意味みたいです。

デカルトは、この解釈で何を悟ったのか?
もしくは何を伝えようとしたのか?
幾ら考えても解らないのです。

もしご存知でしたら、教えて頂けないでしょうか?
折乃笠部長なりの解釈で結構です。

以上、大変お手数ですが宜しくお願い致します。』

◆折乃笠部長回答

折乃笠なりの解釈をさせていただきます。

小生、哲学者デカルトという名前は聞いたことがありますが、
どこの国の人なのか、いつの年代の人なのか、
何をした人なのか、まったく知りませんでした。

そこで、先ず日野中央図書館にて以下の書物を読んで
ポイントをピックアップ致しました。

・方法序説             デカルト著   
・デカルト「われ思う」のは誰か   斉藤慶典著
       
さて、これから述べる事は、本に書かれている事と小生が考えた事を
明確に分けるために、本に書かれていることは 『・・・』 としました。

先ずデカルトを知る事から始めます。

出展は『デカルト「われ思う」のは誰か 斉藤慶典著』です。
小生が要約します。この後の考察にかなり重要な部分が含まれます。

ルネ・デカルトは1596年3月31日フランス中西部ラ・エーで生まれた。
ブルタニュー高等法院の評定官の父と母、兄、姉。

母は弟の誕生時、ルネが一歳の時に死んでしまった。
彼はこの弟の事は知らず、自分の誕生と引き換えに母が命を失ったと
信じていたという。

1616年ポワチエの大学で優秀な成績で法学士の学位を取得。

その後決定的な出来事があります。
一つは、オランダのブレダで数学者ベールマンと出会い、
自然を数学的に解明する可能性に対して眼を開かれました。

もう一つは、南ドイツの町ノイブルグで奇妙な夢を見ます。
彼はこの夢を通して自分の一生を「心理」の探求に捧げる
決心をするのです。

1635年、家政婦へレナとの間に私生児の娘フランシーヌが
生まれます。

1637年、紆余屈曲を経て「方法序説」を出版致します。
彼自身の「生きること」と「哲学すること」とか、どの様に
密接にかかわりあっていたかを生き生きと伝えています。

この「方法序説」に今回の命題である
『我思う、故に我なり』が論じられています。

1640年、娘フランシーヌは5歳で死んでしまいます。

1650年、肺炎を悪化させたデカルトは53歳で生涯を終えます。

それでは、命題の『我思う、故に我なり』は、
どのように論じられているか『方法序説 デカルト著』   
より紹介致します。

『このようにすべてを偽と考えようとする間も、そう考えているこの
わたしは必然的に何ものかでなければならない、と。

そして「わたしは考える、ゆえにわたしは存在する
〔ワレ惟ウ、故ニワレ在り〕」というこの真理は、懐疑論者たちのどんな
途方もない想定といえども揺るがしえないほど堅固で確実なのを認め、
この真理を、求めていた哲学の第一原理として、ためらうこと
なく受け入れられる、と判断した。
                                           
それから、わたしとは何かを注意ぶかく検討し、次のことを認めた。

どんな身体も無く、どんな世界も、自分のいるどんな場所も無いとは
仮想できるが、だからといって、自分は存在しないとは仮想できない。

反対に、自分が他のものの真理性を疑おうと考えること自体から、
きわめて明証的にきわめて確実に、わたしが存在することが帰結する。

逆に、ただわたしが考えることをやめるだけで、仮にかつて想像した
すべての他のものが真であったとしても、わたしが存在したと
信じるいかなる理由も無くなる。

これらのことからわたしは、次のことを知った。
わたしは一つの実体であり、その本質ないし本性は考えるという
ことだけにあって、存在するためにどんな場所も要せず、
いかなる物質的なものにも依存しない、と。』

この部分は『方法序説 デカルト著』の第四部に記されていますが、
哲学書独特の難しい表現と根底に非常に深い真理があります。

第一部、第二部、第三部で、この議論に至るまでの背景が
述べられています。

『わたしは考える、ゆえにわたしは存在する』

『デカルト「われ思う」のは誰か 斉藤慶典著』によると

『「わたし」とは想像したり、感覚したり、疑ったり、理解したり・・・・する様な
「力」ないし「働き」それ自体であることを突き止めたとデカルトは言っている』

つまり、「わたし」は物体ではなく、状態であると言っています。
これは、後の論議に大きく繋がります。

さて次にもう一度 『方法序説 デカルト著』を紹介致します。
第一部の一番最初の部分です。非常にわかりやすい表現です。

小生は、この部分がデカルトの心理の本筋ではないかと考えます。

『良識はこの世でもっとも公平に分け与えられているものである。

というのも、だれも良識なら十分身に具わっていると思っているので、
他のことでは何でも気難しい人たちでさえ、良識については、
自分がいま持っている以上を望まないのが普通だからだ。

この点でみんなが思い違いをしているとは思えない。
むしろそれが立証しているのは、正しく判断し、真と偽を区別する能力、
これこそ、ほんらい良識とか理性と呼ばれているものだが、
そういう能力がすべての人に生まれつき平等に具わっていることだ。

だから、わたしたちの意見が分かれるのは、ある人が他人よりも理性が
あるということによるのではなく、ただ、わたしたちが思考を異なる道筋で導き、
同一のことを考察してはいないことから生じるのである。

というのも、良い精神を持っているだけでは十分でなく、大切なのは
それを良く用いることだからだ。

大きな魂ほど、最大の美徳とともに、最速の悪徳をも産み出す力がある。

また、きわめてゆっくりと歩む人でも、つねにまっすぐな道をたどるなら、
走りながらも道をそれてしまう人よりも、はるかに前進することができる。

わたしとしては、自分の精神が、どんな点でもふつうの人より完全だなどと
思ったことはない。

それどころか、ほかの人たちと同じくらい頭の回転が速く、想像力がくっき
りと鮮明で、豊かで鮮やかな記憶力をもちたいと、しばしば願ったほどだ。

そしてこれらの特質以外に、精神の完成に役立つものをわたしは知らない。

というのも、理性すなわち良識が、わたしたちを人間たらしめ、
動物から区別する唯一のものであるだけに、各人のうちに完全に
具わっていると思いたいし、その点で哲学者たちに共通の意見に従
いたいからだ。』

ここでの大きなポイントは 『良識』 です。

小生は、デカルトの『心理』はここにあるのでないかと思います。
つまり、デカルトは哲学を通して『良識』を追求したのでないかと
思うのです。

これは、
自分の誕生と引き合えに母の命を失った
法学という正義を主張する手段を得た
自然つまり良識を数学的に解明した
奇妙な夢
家政婦に私生児を生ませてしまう

この後、紆余屈曲を経て「方法序説」を出版致します。
彼自身の「生きること」と「哲学すること」とか、どの様に
密接にかかわりあっていたかを生き生きと伝えています。

小生、『わたし』とは『良識』であると解釈致します。

そして
『我思う、故に我なり』
=『わたしは考える、ゆえにわたしは存在する』
=「良識を考える程に 良識は存在する」
と小生は解釈致しました。

つまり、
我々は常に良識を磨きながら生きていこう!
です。

東日本大震災という大惨事、地獄のような現実の中、
現地の方々の 良識ある 行動に涙が出るほどの感動と
同じ日本人として大きく強く誇りに思います。

如何なる時、如何なる場所、如何なる人に対しても、
『良識』は不変で無ければいけないのですね。

この様なたいへんな時、ほんの少しでもデカルトを勉強できて
良かったと思います。

命題を与えてくださった○○さんに感謝致します。』

  

なるほどね。

何となく、納得してしまいました。

”過去”の自分と”現在”の自分を比較するてめに”過去”を振り返る。

たまには必要ですね。

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