昨日、インタネットニュースで以下の記事を読みました。
『【実は日本が世界一】7年連続No.1!500カ所の中で最も清潔と評価される空港とは?』
出典
『プロ意識と誇りを持つ清掃員たち 羽田空港
羽田空港は、どうしてそこまで奇麗なのでしょう。
一般には、同空港の環境美化と空間の快適化を担当する「日本空港テクノ」
(東京都大田区)の存在が指摘されています。
同社の清掃員は、身だしなみや笑顔、道具の持ち方、清掃のしぐさに至るまで、
徹底したプロ意識と誇りを持ちながら空港で作業しているのです。
清潔さを維持するための独自のチェック体制も確立されており、清掃員とは別に、
空港内を巡回して汚れた箇所をチェックするスタッフもいるそうです。』
小生、この記事を読んだ時、とっても納得がでました。
たかが清掃、されど清掃!
その理由は2つあります。
一つは禅。
禅の修行は「問答」「坐禅」「作務」ですが、「作務」の中の掃除は非常に禅の中でも
重要視されています。
簡単に言うと「部屋の乱れは心の乱れ」と言うことです。
よって、自分で言うのもお恥ずかしいですが、血液B型の割には綺麗好きです。
隠れ部屋(書斎)はびしっとしていますし、トイレは大月折笠美術館化していますし、
布団はいつもふわふわです。
そしてもう一つ鍵山秀三郎さんの影響が大きいです。
2017年にお会いはしていませんが、とても親しくさせていただきました。
今読んでもとっても良いレポート(自己満足多々)なので全文皆様にご紹介します。
きっと納得されて、感動すると思います。
『1.人 リマインド
“人間らしく生きる”ためには、人間学として、真摯に、真剣に、考え行動してきた
方々を紹介し、見習わせていただく。
鍵山秀三郎相談役。
しっかりとしたお考えと素朴な御性格と合わせ昭和の良き時代の匂いをお持ちのお方である。
2.鍵山秀三郎相談役 御紹介
イエローハット創業者、NPO法人「日本を美しくする会/掃除に学ぶ会」相談役。
1933年、東京生まれ。1952年、疎開先の岐阜県立東濃高校卒業。
1953年、デトロイト商会に入社。
1961年、ローヤルを創業し社長に就任、自転車の行商からスタートさせた。
1997年、社名をイエローハットに変更。
1998年、同社取締役相談役となる。
創業以来、続けている「掃除」に多くの人が共鳴し、近年は掃除運動が国内外に広がっている。
“凡事徹底”を貫く。
3.鍵山秀三郎相談役と対談をさせていただく
◆小生、相談役の本は3冊読ませていただいており、人間学 月刊誌“致知”でも連載記事を
毎月読ませていただいている。
その中から特に感銘を受けていた金言を取り上げ、対談形式で紹介する。
折乃笠:本日は私共が心から敬意を抱いております鍵山相談役と御対談が出来ますことを
誠に光栄に思います。
鍵山相談役:こんにちは折乃笠さん。いやいや私はそんな偉い人ではなく、掃除好きの
ただのおじいさんですよ。
折乃笠:いやいや、自転車の行商からスタートし、今や年商900億円東証一部の
イエローハットを創業した手腕は尊敬に値します。
鍵山相談役:ありがとうございます。
折乃笠:私が本日一番お聞きしたかった事は、鍵山相談役が「掃除」を何故
今日御年84歳まで続けられているかです。
このことが本日お話をお聞きする根底にあると思っています。
鍵山相談役:イエローハットを創業した昭和36(1961)年、28歳のときに社内の
トイレ掃除を独りで始めました。
以来、トイレ掃除の活動を53年間継続しています。
折乃笠:御独りで?トイレ掃除をお独りで始められた理由は何なのでしょうか?
鍵山相談役:いろいろな理由がありますが、大きな理由としては、ちょうど高度成長期
に差しかかった頃で、社員の心が荒れていたんですね。
カネを稼げばいい、今さえよければいい、自分だけよければいい、
という風潮に世の中全体が急速に変わってきた。
創業間もない会社だったため、採用面接に応募してくるのは、履歴書
に書き切れないぐらいたくさんの会社を渡り歩いてきた方が多く、
心がすさみきっていたというのもあります。
こうした社員の心を穏やかにするためには、まず職場環境をきれいに
することが大事だと思いました。
汚い環境の中で、彼らに「ちゃんとしろ」と言ったってできるわけがない。
まず私が環境をきれいにしてから、伝えるべきことを伝えていこう、と。
その第1番がトイレ掃除であり、社屋の掃除でした。社屋といっても
バラックでしたけども(笑)。
まず社内を掃除して、やがて近隣周辺、取引先のお店の周囲やトイレ
掃除をさせていただくようになりました。
本当は社員にもやってもらいたかったけれど、誰もやりたがらないで
しょうから独りで始めました。
折乃笠:上司として命令はしなかったのですか?
鍵山相談役:命令したってやるもんじゃないですよ。また命令されてやることは絶対
に本物にならない。規則で決めたり、当番制にしたりしてもダメ。
心からそうしようと思わないと身に付きません。
折乃笠:今の御言葉、とても心に響きます。
ところで社員の方々の反応は如何だったのでしょうか?
鍵山相談役:「掃除なんかしても無駄だ」「うちの社長は掃除しかできない」と陰で
批判する者もいましたし、私がトイレ掃除をしている横で用を足して
いく者もいました。
最初の10年間は私独りで掃除をしていて、手伝おうという社員は1人も
いませんでした。
折乃笠:10年間!?よく続けられましたね。
鍵山相談役:哲学者のショーペンハウエルがこう言っています。
物事が成功するまでには3段階ある。
第1段階は「嘲笑される」。なんだトイレ掃除なんかして、と。これが始まり。
第2段階は「反対される」。誰もやれと言っていないのに抵抗するのです。
その段階でバカバカしくなり、やめてしまう。こんなことやったってしょうが
ないという気持ちになる。
でも、そこを乗り越えると、第3段階は、笑いものにしたり、反対したりして
いた人がいつの間にか「同調する」。そんなこと、とっくにわかっているよ、と。
折乃笠:その後、社員の方々がトイレ掃除をするようになったのですか。
鍵山相談役:はい。10年を過ぎた頃から、社員が1人2人と手伝うようになりました。
ただし、今日やったと思ったら明日はもうやらないという感じで波はあります。
それがだんだんと浸透していって、20年を過ぎた頃には、大方の社員が
掃除をやるようになった。
社内だけでなく、近所の道路など広い範囲で掃除するようになりました。
トイレ掃除をして傲慢になった人はいない。
折乃笠:全員定着するのに20年!?掃除が社内に根付いていって、ビジネスの面で
何か効果はありましたか?
鍵山相談役:お客様からの信頼が絶大になりました。よその会社の社員とは全然違
うというふうに、お客様が見るようになった。たとえば、うちが商品をお客
様に納める際に、普通は商品と伝票に記載された数が合っているかをお
客様がチェックするのですが、うちはノーチェックです。
うちの社員はごまかしたりしないという信頼があるからです。
みんなが掃除をやるようになってからは、外部の会社から「掃除の仕方を
教えてほしい」と依頼が来るようになりました。
最初は中小零細企業が多かったのですが、だんだん1部上場会社の社長が
幹部社員を連れて来るようになった。
折乃笠:社員教育として掃除を導入しようと?
鍵山相談役:そうです。もう何をやってもうまくいかなくて、人づてに掃除がいいそうだ
と聞いて、半信半疑でやってくる。ある会社の社長は、会社をよくするた
めにいろいろな研修に行っては、次々と会社に導入したけれども、どれも
成功しなかった。
でも、掃除を始めたら成功した。この掃除活動は、自分の意志でやり始
めると、がぜん、心が変わるんですね。
折乃笠:どういうふうに変わるのですか?
鍵山相談役:掃除の効用は大きく5つあります。
ひとつ目は「謙虚な人になれる」。私はこれまで何万人も掃除をする人を
見てきましたが、掃除をやっていたら傲慢になったなんて人はひとりもい
ません。例外なく謙虚になります。謙虚になると、自分が接している周囲
の人たち対応が変わってきます。
2つ目は「気づく人になれる」。ぱっと見て、この便器はきれいだなと思っ
ても、いざ便器に取り組んでみると、ここも汚れている、あそこも汚れてい
ると、いろいろな汚れに気づきます。すると、今までは床にゴミが落ちて
いても平気だったのが、気になるようになってくる。これまでは見えなかっ
た細部がよく見えるようになります。
3つ目は「感動の心を育む」。自分でトイレ掃除をすると、きれいになった
なあと実感します。この実感が感動なのです。よくコンサートに行ったり、
お坊さんの話を聞いたりして「感動した」と言いますが、あれは感動してい
るのではなく、興奮しているだけです。感動と興奮は違う。興奮はすぐ冷
めます。お坊さんの話を聞いた帰り道で、もう人を押しのけている。そうい
うのを感動とは言いません。
折乃笠:トイレ掃除の感動は持続するのでしょうか?
鍵山相談役:感動しやすくなって、些細なことにもありがたいと思うようになるのです。
たとえば、人がエレベーターのドアを開けて待ってくれていたといったこと
にも、ありがたいと感じるようになる。
4つ目は「感謝の心が芽生える」。感動と感謝は一緒です。感動しない人
は感謝しません。
5つ目は「心を磨く」。心を外に出して磨くことができればいいですが、でき
ないでしょう。だったら磨けるものを磨く。間接的に自分の心を磨くことに
なります。トイレというのは1日に何回も見るものですから、それがきれい
だと、見ている自分の心もきれいになっていきます。つまり、いつもゴミだ
らけの汚い環境にいる人は、心の中も同じ状態ということです。
折乃笠:耳が痛いです。先ずは身の回りから切きれいにします。
ところで掃除活動は、日本中、世界中に広がっているのですか?
鍵山相談役:だんだん「掃除の仕方を教えてほしい」という依頼が企業や学校からも
来るようになり、私がトイレ掃除を始めて30年経った頃に、NPO法人
日本を美しくする会/掃除に学ぶ会」が立ち上がりました。
掃除活動は全国各地に広まり、現在、47都道府県123カ所に設立され
ています。海外ではブラジル、中国、米国(ニューヨーク)、台湾。正式に
登録していない活動も含めると、もっとたくさんあります。ルーマニア、
イタリアでも実施しています。
折乃笠:今までお話は、鍵山相談役が何故「掃除」を始められたか、そして長きに渡り
継続されてきたかがたいへん良くわかりました。そして、「掃除」をすること・
継続することが人間の正しく生きる道につながることを教えていただきました。
私折乃笠は現在禅の修行をしておりますが、その中で身の廻りを綺麗に
することも禅の重要な修行であると教えられています。
まさしく鍵山相談役に教えていただいたことから更に禅を深く理解することが
できました。
鍵山相談役:人間の心は、そう簡単に磨けるものではありません。
ましてや、心を取り出して磨くことなどということはできません。
心を磨くには、とりあえず、目の前に見える物を磨ききれいにすること
です。人は、いつも見ているものに心も似てきます。
折乃笠:これは仕事上でも言えることですね。
鍵山相談役:その通りです。
整理整頓は、仕事の能率、効率を高め、
清掃清潔は、仕事の質をよくします。
折乃笠:ここで、鍵山相談役に「掃除」を通してお一言いただくとすると
鍵山相談役:今日まで歩いてきた人生を一言で言うとすると、
「だれにでもできる簡単なことを、だれにもできないほど続けてきた」
というのが、私の人生のすべてです。
折乃笠:頭が下がります。これは並大抵にできる事でないと思います。
我々凡人ができる具体策はありますでしょうか?
鍵山相談役:そんなに難しくありません。
志を持つことです。
折乃笠:もう少し具体的に教えていただけますか?
鍵山相談役:志の三条件を言いますと
先ず一番に、人生のテーマを持つこと。
二番目は、生きる原理原則を持つこと。
三番目は言行一致だと。
折乃笠:一番目の人生のテーマ。これまで私はたくさんのテーマに取り組んでいる
と思っていましたが、よく考えてみたら、ほとんど仕事のテーマでした。
人生のテーマというのは死ぬ瞬間まで追い求めるものですが、仕事のテー
マは、仕事を離れると消えてしまうのですね。
私は今取り組んでいる本テーマ“人間らしく生きる”を一生のテーマにしようと
強く思いました。
鍵山相談役:私でよかったらいくらでも協力致しますよ。
折乃笠:ありがとうございます。これからも鍵山相談役の御本や記事を読ませていた
だいて勉強させていただきます。
鍵山相談役:了解です。
折乃笠:話を少し戻しますが、志の三条件で鍵山相談役はこの三つの条件を備えた
しっかりした志をもとに生きていらっしゃると思います。鍵山さんの人生のテー
マは「掃除」を通して世の荒みをなくすことですね。
原理原則は凡事徹底ですね。もちろん言行一致していらっしゃいます。
鍵山相談役のような方こそ本当に志のある方だと思った時に、自分も人生の
テーマや生きる上での原理原則をしっかり確認していかねばならないことを
痛感させられました。
鍵山相談役:いままで、誰にでもできる平凡なことを、誰にもできないくらい
徹底して続けました。そのおかげで、平凡の中から生まれる、
大きな非凡を知ることができました。
折乃笠:平凡、凡事が大切なのですね。
本日はありがとうございました。
それでは最後にお言葉をお願いします。
鍵山相談役:日常の、自分の目の前のあたりまえの凡事を徹底して努めていく。
この「凡事徹底」こそは、日本人が取り戻すべき本来の美質であり、
未来を開くキーワードだと私は思います。
この国をよくするのは、財務大臣でもなければ総理大臣でもありません。
国民一人ひとりの、ほんのちょっとした生き方にかかっているのです。』
どうでしたか皆さん。
当たり前のお話なのにとても感動しますよね。
整理整頓は仕事の能率効率を高め、清掃清潔は仕事の質をよくする
◆お願い (お手数お掛けします) ブログを読まれた方は下記2つのボタンを順番にクリックをお願いします。 クリックしてアクセスするだけで点数が入り(投票され)順位が上がります。 アクセス後は何もせず、本ブログに戻ってきてください。
小生も数日前に 羽田空港が500カ所の中で最も清潔と評価される空港 7年連続No.1 であることをネットニュースで見ました。
「日本空港テクノ」という清掃のプロ集団の存在が紹介されていましたね!
まさに、世界一の5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)だと思います。特に4Sを上手に習慣化した「躾」が定着しているんでしょうね。
そして、継続するには目的意識の共有化とトップが率先して行う姿が必要だと思います。
鍵山秀三郎さんのレポートの中でも紹介されており、「誰にでもできる平凡なことを誰にもできないくらい徹底して続けました。そのおかげで平凡の中から生まれる大きな非凡を知ることができました。」には感動しました。
小生も鍵山相談役の志を見習い、自分らしく自分のスタイルで生きるを人生のテーマとしたいと思います。具体的には、Fフォー・シーズが軸になるかな・・・
整理整頓は仕事の能率効率を高め、清掃清潔は仕事の質をよくする、躾はこれら(4S)を習慣化する。
掃除して、雑巾がけをして、足元を見る(脚下照顧)ことの大事さ、大切さ、今までも自分なりに大事なことであると理解していたつもりではあります。また、それを陰で実行する事の大切さもまた、理解しているつもりでおりました。
今回、折之笠氏と鍵山社長の対談を読ませていただくと、大きな視点を指摘されたと感じました。以下引用
鍵山相談役:そんなに難しくありません。
志を持つことです。
折乃笠:もう少し具体的に教えていただけますか?
鍵山相談役:志の三条件を言いますと
先ず一番に、人生のテーマを持つこと。
二番目は、生きる原理原則を持つこと。
三番目は言行一致だと。
この部分(志を持つ=三条件)が、幕末の先駆者「松下村塾開設・吉田松陰」の有名な次の言葉が脳裡をよぎり、以下の文言に繋がる気が致します。
夢無き者に理想無く 理想なき者に計画無し 計画無き者に実行無し 実行無き者に成功無し 故に 夢無き者に成功無し
この裏返しで、鍵山社長様の言葉によって目覚めさせられました。
異言同根(小生造語です)、故に「志を持つ=夢を持つ」このように短絡的に感じ取ることが小生、出来ました。素晴らしい対談の中身に触れて、これからの己が生きる道への身の処し方への大きな灯、指針をいただけたと思います。ありがとうございました。
小俣会長様
大月小山田信茂公顕彰会会長恩自らたいへん貴重な御意見をいただき恐縮です。
これからもより一層の御指導をよろしくお願い致します。