溶接技術及び工場運営にどう生成AIを活かすかを共に勉強している小工場運営の親子様と、東京ビッグサイトのフィジカルAI展と製造技術展、その他展へ行って参りました。
何年ぶりの技術展でしょうか。小生、子供のように目が輝き、いろいろなブースで食い入るように説明を聞いて参りました。
ここで、まずフィジカルAI展について説明をいたします。
フィジカルAI(Physical AI)とは、センサーで現実世界を認識し、その判断に基づいてロボットや機械を実際に動かすAIのことです。ChatGPTのようなデジタル空間で完結する「生成AI」が頭脳だけであるのに対し、フィジカルAIは「頭脳+体」を持ち、現実世界でモノを見て、判断して、動かすという決定的な違いがあります。米NVIDIA社のCEOが2025年に提唱したことで急速に注目が集まっており、2026年現在の製造業界において最も熱い技術分野の一つとなっています。
展示会場を回りながら、小生、完全に目から鱗の連続でした。
ここで、今回現地で得た知見と、我が小工場への具体的な活用提案の要約を以下にまとめます。
溶接業界の深刻な現状:溶接技能者の有効求人倍率は一時5.56倍に達し、その後も3倍超と突出した人材不足が続いています。製造業の高齢化も深刻で、暗黙知に依存する溶接技術の「技能承継」は待ったなしの経営課題です。
低コストで始める3つの解決策:中小の町工場がいきなり大型投資をするのはリスクですが、フィジカルAIは「低コスト×段階導入」が可能です。
技能承継:VR/AR溶接訓練システムを活用。消耗品不要で、レポート機能は月額1万円からと低リスクで若手の早期戦力化を図れます。
品質検査自動化:カメラ+AI外観検査を導入。目視に頼っていた溶接ビード検査を自動化し、検査品質のばらつきを排除(人員を半減した事例もあります)。
溶接作業自動化:安全柵が不要な「溶接用協働ロボット」の導入。ダイレクトティーチングにより現場で簡単に教示でき、100万円台〜300万円台の新型パッケージなど低コスト化が進んでいます。
補助金の戦略的活用:中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型でアーク溶接ロボット等が対象、補助率1/2)や、ものづくり補助金、IT導入補助金を組み合わせることで、初期投資の実質負担を半分以下に抑えられます。
段階的ロードマップ:まずは「フェーズ0:現状把握・VR訓練体験」から始め、「フェーズ1:一工程だけのパイロット導入(補助金活用)」へと、小さく試して効果を検証しながら横展開していくことが失敗しない鍵です。
これからの課題として、この内容を基に親子様と一緒に一歩ずつ進めて参ります。
かつて戦闘トラックのエンジニアとして現場に身を置いていた小生にとって、ものづくりの自動化や技術の最適化は最も得意とする課題であります。
我が町の小さな町工場を守り、次世代へ技術を繋ぐため、超力を入れて頑張ります。

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展示会で目から鱗が落ちる瞬間というのは、単なる技術の驚きではなく、自分の中の “古い地図” が書き換わる体験なのだと思います。
フィジカルAIが広げる新しい地図を、町工場の親子さんと一緒に描いていく姿はとても人間的で温かいものを感じます。
小生は某トラックメーカーから、溶接技術を売りとする製造会社に転職しましたが、特に製造現場はぬるま湯体質で新しい技術を導入する気が殆どなかったので、彼らにこのフィジカルAIを知ってもらって、目から鱗を落としてもらいたいです。
技術の進歩を「守るべきもののために使う」という視点は、これからも持ち続けなければならないと思います。