今までにブログでも紹介していますが、第二回目の禅講座の中で
以下のようなことがありました。

『坐禅や念仏や回峰行など、仏教のさまざまな修行の共通点は
 同じことをくり返すことです。悩みや心配事はとりあえず横においといて、
 ひたすら一心に、我を忘れて同じ行いをくり返すと、言葉で考えていること
 から解放されて、こころの波は穏やかになります。』
 
この ”とりあえず横においといて” の ”とりあえず” がどうしても理解できず.
とりあえず横においたものは、この先どうなってしまうのか?がモヤモヤして
いました。
小生の質問に対するゲストの老師様のお答えも、たいへん丁寧で、
小生その場ではわかった気でいましたが.時がたつにつれて分って
いなかったのです。

そんな時.山田ズーニーさんの一言が答えを教えてくれました。

『自分とAさんとの間に問題が生じている時、自分とAさんとのにらみ合いの中で、
 問題を解決しようとしている。
 これか解決困難なばかりか、ゆきづまってしまったときどうするか?
 いったん、自分とAさんとのにらみ合いから、視線をはずして、目を外に、つまり、
 いま自分が持てる人間関係の外にいる人、外にある物事に、自分を、ぐぐっと
 ”ひらいて”みる。
 そして、自分の枠組みをひろげ、再び、自分とAさんの関係に向かった時に、
 前とは違った見え方ができる、ということだ。』

一見当たり前のようなことですが、とても大切なことですね。

確かに良く考えてみると、我々も色々な事で実践しています。

 ・会議などで紛糾して行きづまった時、一旦閉会にして次の日実施すると
  あっという間に解決できたとか。
 ・夫婦喧嘩をした時、一旦逃げるようにその場を離れ、翌朝爽やかな顔に
  続きを実施するとか (本音は本当に逃げている場合が多いですよね。)
 ・小生、良くあるのが文を書いている時、突然進まなくなる。その時は
  数時間後あるいは数日後、再スタートするとスムーズに進みます。

その間(ま)の時間で、相手の変化ではなく、自分の心や頭の変化、
禅ではその間(ま)に心の成長、つまり自分を如何に変化させるかなんですね。

昔から言われる、『逃げるが勝ち』も、そういうことかもしれません。

”とりあえず横においといて” は、とっても深い意味だったのです。

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