はやぶさ2 無事に帰っておいで! みんなが君を待っている。

はやぶさ2は、小惑星「リュウグウ」を探査して岩石を採取し、
地球に持ち帰る探査機のことです。

地球の生命はこうした小惑星がぶつかり、生命の“材料”となる
水や有機物がもたらされて誕生したとする説があり、小惑星の
岩石を持ち帰り詳しく分析すれば、宇宙でどう有機物がつくられ、
生命の起源につながったかを解明できると、期待されています。

現在地球帰還中。
今後の予定は11~12月に小惑星の石や砂が入ったカプセルを
地球(オーストラリアの砂漠)に送り届けるそうです。
その後、軌道を変えて別の小惑星に向かう予定だそうです。
関係者によると、2030年ごろ到着できる数十の小惑星を候補に
検討しているということです。

ここで、ほんと関心するというか、びっくりするというか、感動する
話がいっぱいありますね。

日本のロケットや探査機の技術力の高さ。
生命の起源を解明しようとする探求心と心意気。
更に2030年を目指すという持続力の旺盛さ。
これらを理解し、予算を出した国の寛容さ。

そして、何よりうれしいのは、皆がロマンを持っている事ですね。

科学や技術で、我々日本人いや世界中の人たちに
夢と希望を与えてくれています。

はやぶさ2 みんなが君を待っている。無事に帰っておいで!

P.S.
ここから先代のはやぶさのお話です。
はやぶさ2に繋がる素敵なお話です。
結構長いので、お時間のある時にお読みください。

2011年2月の小生のブログです。

今日は、「はやぶさ」の最後の感動的シーンを紹介致します。
ハンカチを準備下さい。

『再突入カプセル自身は、軌道制御能力を持っていない。
カプセルを再突入させるには、母船である「はやぶさ」が
 カプセルを抱いたまま、大気圏に突入する軌道に入らなくては
 ならない。

 当初の計画時は、「ほやぶさ」は再突入カプセルを切り離した後、
 化学エンジンを使って、地球再突入軌道から離れ、ふたたび
 宇宙に飛びだして、飛行を継続することを考えていた。
 「はやぶさ」の延長ミッションである。
 新たな探査計画も検討していた。
 だが、推力の弱いイオンエンジンしかない今となっては、
 カプセルを分離したあとに「はやぶさ」が再突入軌道から
 離脱することはできない。

 この「はやぶさ」の運命はわかっていた。
 2010年4月15日公開の「関係者からのメッセージ」サイトを
 立ち上げたときに、最初の担当者として寄稿した以下の文章は
 それを踏まえてのものである。
                       
 「どうして君ほこれはどまでに指令に応えてくれるのか?
 そんなにしてまで。
 イオンエンジンの運転が再開したとき、そんな気持ちをもってしまった。
 われわれが、方策を考えあぐねていたならば、それは君を救う道
 だったかもしれない。使命を全うするのか?
 それとも、いやいやをしたいのではないのか。
 「はやぶさ」にほぜひがんばってほしい、と思う反面、
 その先に待つ運命は避けられないものかと思う。
 空力的に大気でジャンプする案など、力を得ることもできるのだが、
 度重ねた検討によっても、熱の壁が先に釆てしまい、救えないことは
 わかっている。

 この帰還の運用にほ、一度きりのチャンスしかない。
 万全の備えが必要だ。
 しかし、この万全さは、逆に、「はやぶさ」自身の最期を確実に演出
 してしまう。残酷さにつながしてしまう。
 おもえば、この運命は、化学エンジンがつかえなくなった2006年の
 時点でわかっていたことなのだ。
 帰って来るなというわけにはいかない。
 万全の準備とは、冷酷な準備でもある。
 「はやぶさ」が切り離すカプセルは、「はやぶさ」自身の思いを載せて、
 次の後継機への「たまご」となると考えるべきなのだろう。
 「はやぶさ」自身もそれを望んでいるはずだ。」

 カプセルを地球に帰すこと、それが 「はやぶさ」 の最終便命だった。
 そのために 「はやぶさ」はずっとカプセルを抱いて飛んでくれた。
 すべての宇宙開発機関の関係者が、すべての衛星に対して、
 ねぎらいの気持ちを持っているかといえばそうではないかもしれない。
 だが、今回は、関係した全員が 「はやぶさ」 に対して、そのような
 気持ちを持っていたと思う。

 一般に、プログラムが組まれている機械は、プログラムに従って仕事を行う。
 それ以上の仕事をすることはない。
 だが、「はやぶさ」 は、運用中ずっと、「こういうときはこのような
 行動をする」 という、プログラムよりもっと高次なルール作り、
 ある意味で 「しつけ」 のようなものを繰り返してきた。
 たとえば、「イオンエンジンの調子がこのようなときは、どうするか」と
 いうようなルールだ。
 「はやぶさ」が行方不明から復活するときも、そのようなルールが
 有効に使えたし、そういったルールを「はやぶさ」が忠実に実行する
 ことによって、まるで「はやぶさ」が助けてくれたかのような印象を
 抱いたことがしばしばあった。

 なによりも「はやぶさ」との協同があって、はじめてこの奇跡的な
 飛行ができたのだと思う。

 しかし再突入の三時間前にカプセルを分離すると、あとは「はやぶさ」
 本体はもう必要ないものとなってしまう。
 非常に一生懸命にやってきたものが、あるとき突然ミッションとは
 関係ないものとなってしまう。

 カプセルを見つめながら、「ありがとう、「はやぶさ」という
 思いしか浮かばなかった。』

 何か、とても切ない気持ちになってしまいました。
 ハンカチが濡れています。

 はやぶさが火花を散しながら、大気圏に突入したシーンを
 思い出しますね。
 自分の身を犠牲にして、カプセルを帰還させたのです。

 本来クールな科学ノンフィクション物語なのに、どうしてこんなに
 心が揺さぶられるのか?

 「はやぶさ」は、最後には、「君」と呼ばれています。

 超高度な科学技術が機械に人間の心に近いものを与える事が
 できて、その機械の心と人間の心が深く結びついたのだと思います。

 「はやぶさ」
 人類の英知 と 日本人の巧み そして ロマン がありました。

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