小生、この頃「人間らしく生きる」を論ずる時、「人間だから」と「人間だもの」
という言葉によく出会います。

何気なく、使う言葉も、比較して考えるとより深く理解することができます。

小生が考えるに
「人間だから」 
 人間なんだから、理性を持って正しく生きなきゃだめだ! 
「人間だもの」 
 人間だもん、たまには失敗もするさ、次行ってみよう!ババンバ バンバンバン!

「人間だ」は同じでも「から」と「もの」で180°意味合いが変わってしまいます。

ここで、「人間だから」を考えるとホモ・サピエンスの進化論に行きつきます。

300万年前に猿から進化した猿人が登場し、今のホモ・サピエンスになったの10万年前。
ホモ・サピエンスへの進化は、動物学的に徐々に進化したのではなく、遺伝子の突然変異に
よるものだといいます。

遺伝子の突然変異によって、ホモ・サピエンスが得たものは何か。
それは、「理性の血」だというんですね。
ホモ・サピエンスは、「理性の血」と「動物の血」を持つという。
人類の進化の時間の尺度でみれば、人は「理性の血」よりも「動物の血」のほうが圧倒的に濃い。
次々と表出する「動物の血」は、ねたみ、やっかみ、憎しみ、怒り、利己心、自暴自棄、暴力的な衝動など、
まるでジャングルの獣のごとく、負の感情を生み出す。

我々の生活でも日常茶飯事に起きている。恥ずかしくて思わず赤面してしまいます。
その「動物の血」を抑制し、コントロールするのが「理性の血」だという。

「人間だから」、「理性の血」で自分をコントロールしなければならないのですね。

一方、「人間だもの」は、相田みつをの詩に行きつきます。

『”詩集・人間だもの”より ”詩・つまづいたおかげで”より

 つまずいたり ころんだり したおかげで
 物事を深く考えるようになりました

 過ちや失敗をくり返したおかげで
 少しずつだが 人のやる事を 暖かい眼で
 見られるようになりました

 何回も追い詰められたおかげで
 人間としての 自分の弱さと だらしなさを
 いやというほど知りました

 騙されたり 裏切られたり したおかげで
 馬鹿正直で 親切な人間の暖かさも知りました
     ・
     ・                     』

「人間だもの」 沁みますね・・・。

我々は、「人間らしく生きる」には、右手に「人間だから」、左手に「人間だもの」をしっかり持って
回り道をしながらも、自分が信ずる道を進んで行かなければならないのですね。

今日の折乃笠さんは、散歩をしながら、こんな事を考えていましたとさ・・・。

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