「人間だもの、たまには失敗もするさ。」とは言えない
絶対してはいけない失敗(過ち)のお話です。

小生の父親は茨城県の田舎出身で、若い頃東京向島のプレス金型
製作工場で職人をしていました。

相当な努力をしてお金を貯めて、独立して、葛飾立石に木造平屋の
小さな工場(こうば)を持ちました。

朝から夜まで、手作業のやすり掛けやグラインダ掛け、旧式の機械加工機を
使ってプレス金型を製作し、手はいつも切粉と油まみれで切り傷が絶えず
真っ黒でした。

子供ながらに、働く後ろ姿とその真っ黒な大きな手をいつも見ていました。

小生が、確か小学校3年生か4年生の冬のお話です。

当時、昼食は給食だったのですが、その日は無しで各自昼食を
持参することになっていたのです。

その日、下町生まれのバリバリの母親が風邪をひいて寝込んでいて、
小生は学校の隣のパン屋でコッペパンを買おうと思っていたんです。

学校へ行く時、突然父親がガーゼに包まれたお弁当箱を渡してくれたのでした。

なんと、その大きな手でお弁当を作ってくれたのでした。

学校では、昼食前の授業中、達磨ストーブの廻りにお弁当を置いて温めてから食べることが通例になっていました。

お弁当が乾燥しない様に、その前にお弁当のふたをあけて先生がやかんで水を入れるんですね。

それが面白いのとみんなのお弁当の中身が見られるので、みんな集まってくるんです。

実は小生、その前にお弁当のふたを開けて弁当の中身を確認していたんです。

見た目が決して良くなくて、みんなに見られるのが恥ずかしくてお弁当を出さなかったんです。

入りたまごとピンクのデンプンと海苔の三色弁当でした。

学校へ行く時、突然父親がガーゼに包まれたお弁当箱を渡してくれたのでした。

なんと、その大きな手でお弁当を作ってくれたのでした。

学校では、昼食前の授業中、達磨ストーブの廻りにお弁当を置いて
温めてから食べることが通例になっていました。

お弁当が乾燥しない様に、その前にお弁当のふたをあけて
先生がやかんで水を入れるんですね。

それが面白いのとみんなのお弁当の中身が見られるので、
みんな集まってくるんです。

実は小生、その前にお弁当のふたを開けて弁当の中身を
確認していたんです。

見た目が決して良くなくて、みんなに見られるのが恥ずかしくて
お弁当を出さなかったんです。

入りたまごとピンクのデンプンと海苔の三色弁当でした。

昼食の時も、周りに弁当の中身を見られない様に、前かがみで
慌てて食べました。

味はたいへん美味しかったことを覚えています。

普通だったら、父親が大きな手で作ってくれたお弁当を
みんなに堂々と自慢するのが当たり前でしょう。

それを小生はしなかった。

今でも父親が朝早く起きて、大きな手で弁当を作っている
後姿を思うと、涙が出てしまいます。

父親は4年前に亡くなりましたが、最後まで謝ることができなかった。

失敗、過ちをしたら、しっかり謝らなければいけませんよね。

「人間だもの」ではなく、「人間だから」です。

  

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