ウイスキーのテレビのコマーシャル。おしゃれなカウンターレディーが
ちょっと寂しげに笑いかけています。
おじさんたちがうれしそ~にウイスキーを飲んでいます。

ウイスキーつて深みのある物語だと思いませんか? 
それだけで絵になりますよね。

これから語る話は本当にあった物語です。

越後長岡に来て3年目の春、ある夜、学生さんはたまには一人で静かに
飲んでみたいと思い、バイト代は少なくなっていましたが、
街のはずれにあるフラミンゴというパブに初めて入ってみました。
なぜかネオンのあたたかさに誘われたのでした。

店はカウンターと数席のテーブルで小さなお店でしたが、ママさん、
E子さんらのお人柄からか、とても居心地の良い、温かい雰囲気でした。

最初は緊張してビールをチョビチョビ飲んでいた学生さんもすっかり
リラックスしてご機嫌モード。
ウイスキーのボトル入れちゃおうかな、なんて……。

はて予算はあったかな? 
ちょっとトイレへ。
財布の中の千円札を確認。
ん~なんとか、ぎりぎりありそうだ。

「ウイスキーのボトルを入れてください」なぜか敬語。

すっかりお店の皆さんと意気投合。
ご機嫌モードの学生さんは、絶好調。
さて、そろそろ帰ろうかな。
明日は実験もあるし……。

「お勘定を~」財布から千円札をヒ~フ~ミ~、な・な・な・ない!千円たりない!」 

「あっ、あのう~そのう~」

「どうしたさあ~おめさん? なんだ、そんこと? 今度来んときでいいさ?」
(超新潟弁)とやさしくママさん。E子さんも笑っている。

次の日、千円持って急いで開店前に。

「帰ったあと、トイレに千円札落ちてたよ。だから、いらないよ。
 また、千円持って飲みに来てね!」

落ちてるわけないしょ? と思いながらも、学生さんは心の中で手を合わせました。
目にちょびっと涙が……。

♪ウイスキーがお好きでしょ~♪

学生さんはその時からウイスキーが大好きになったのです。

あれから30年、学生さんは大企業の設計部長なっていましたが、
高尾の行きつけの小さなバーでウイスキーを飲みながら今も夢を語っています。

この物語は本当にあった話で、
『全力で突っ走れ!蔵出し 折乃笠部長ブログ』
に収めれれており、久々に読んでみました。

生成AIで文章を作りがちな今、まったくの手作り感ある文章に自分で
書いた文章に感動しています。

やっぱ、小生二刀流(手作り文章と生成AI文章)で行こうと思います。

 

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