はじめに
しっかり生成AIの基礎を身に着けるために整理をしてみました。
(1カ月に1回初心に帰れ活動)
プロンプト(AIへの指示)に対し「思ったような答えが返ってこない…」
実は、ちょっとした「コツ」を知るだけで、AIは我々の意図をより深く理解し、驚くほど的確なアウトプットを返してくれるようになります。
今回は、プロンプト作成の5つのコツを、具体的なプロンプト例と合わせてご紹介します!

コツ1:指示は具体的に! 曖昧さをなくそう
AIは人間のように文脈を読み取るのが得意ではありません。ぼんやりした指示ではなく、「何を」「どのように」してほしいのかを明確に伝えましょう。
AIに指示を出す際、曖昧な表現を避けましょう。例えば、「詩を書いて…」ではなく、「月をテーマにしたロマンチックな5行の詩を書いて」と具体的に伝えると良いです。
【プロンプト例】
- 悪い例:
ブログ記事を書いて。
- 良い例:
「リモートワークのメリットとデメリットについて、800字程度のブログ記事を作成してください。ターゲット読者は中小企業の経営者です。」
ポイント: テーマ、文字数、形式(ブログ記事、メール文など)、ターゲット読者などを指定すると、より期待に近いものが得られます。
コツ2:AIに役割を与えてみよう! なりきりAIで精度アップ
AIに特定の専門家やキャラクターになりきってもらうことで、その視点に基づいた、より専門的で適切な回答を引き出すことができます。
AIに役割を与えることで、より適切な回答が得られます。例えば、「30年の経験を持つ歴史家として、第二次世界大戦の原因を説明して」と役割を指定する。
【プロンプト例】
「あなたは経験豊富なマーケティングコンサルタントです。新発売のオーガニック化粧品について、若年層女性向けのキャッチコピーを3つ提案してください。」
「小学校の先生になったつもりで、子供たちに分数の足し算を楽しく教える方法を説明してください。」
ポイント: 役割を設定することで、回答のトーンや専門性が調整されます。
コツ3:複雑な要求は分解! ステップ・バイ・ステップで攻略
一度にたくさんのことを頼むと、AIも混乱してしまいます。大きなタスクは小さなステップに分けて、段階的に依頼しましょう。
複雑な要求は小さなステップに分けると良い結果が得られます。例えば、一気にエッセイを書かせるのではなく、「導入部分を書いて」「主要なポイントを説明して」「結論を書いて」と段階的に依頼する。
【プロンプト例(段階的に依頼する場合)】
「新しいカフェの事業計画書を作成します。まず、ターゲット顧客層とそのニーズについて分析してください。」
- (AIの回答後)
「ありがとうございます。次に、提供するメニューのコンセプトと、競合との差別化ポイントを提案してください。」
- (AIの回答後)
「最後に、初期投資の見積もりと、初年度の売上予測を概算してください。」
ポイント: 一つ一つのステップでAIの回答を確認しながら進めることで、最終的な成果物の質を高められます。
コツ4:もっと詳しく! 条件を追加して出力をカスタマイズ
より詳細な条件(キーワード、文体、文字数、雰囲気など)をプロンプトに加えることで、AIの出力を細かくコントロールできます。
プロンプトに具体的な条件を加えて出力を調整しましょう。例えば、「物語を書いて」ではなく、「小さな村を舞台にした500語のミステリー物語で、最後に驚くべき展開を入れて」と指定する。
【プロンプト例】
「舞台は近未来の東京。主人公は記憶を失ったアンドロイド探偵。雨の夜に発生した奇妙な事件の謎を追う、サイバーパンク風の短編小説を1000字程度で書いてください。結末は読者を驚かせるような意外なものにしてください。」
「親しみやすく、ユーモアを交えた口調で、SNSでの効果的な情報発信のコツを5つ、箇条書きで説明してください。」
ポイント: 設定、登場人物、文体、文字数、必須要素などを具体的に指定しましょう。
コツ5:出力は必ずチェック! 対話を通じて改善しよう
AIの最初の回答が完璧であるとは限りません。出力結果を確認し、「もっとこうしてほしい」という点を具体的にフィードバックすることで、AIは学習し、より良い結果を出せるようになります。
AIの出力結果を確認し、必要に応じてプロンプトを修正してください。例えば、期待した結果でなければ、「キャラクターにもっと感情的な深みを加えて」と追加指示を出す。
【プロンプト例(修正依頼)】
- (AIの回答に対して)
「ありがとうございます。前のプロンプトで生成された小説ですが、主人公の感情描写が少し不足しているように感じます。特に、自身の記憶がないことへの葛藤をもっと深く掘り下げてください。」
- (AIの回答に対して)
「提案されたキャッチコピーは少し平凡です。もっと斬新で、ターゲット層に響くような言葉を選んでください。」
ポイント: どこが期待と違ったのか、どう修正してほしいのかを具体的に伝えるのが重要です。
(番外編)最新情報をキャッチアップしよう!
生成AIの世界は日進月歩です。新しいモデルが登場したり、既存のツールに新機能が追加されたりします。使っているツールの公式サイトやニュースを定期的にチェックして、最新の情報を把握しておくと、さらにAIを有効活用できます。
これらのコツを意識してプロンプトを作成するだけで、生成AIとのコミュニケーションは格段にスムーズになり、得られる結果の質も向上するはずです。ぜひ、試してみてください!
もし、特定のタスクについて「どんなプロンプトが良いか分からない」といった疑問があれば、お気軽にご質問くださいね!
追記 今回示したプロンプト例を実際にやってみますね
◆プロンプト例1
「舞台は近未来の東京。主人公は記憶を失ったアンドロイド探偵。雨の夜に発生した奇妙な事件の謎を追う、サイバーパンク風の短編小説を1000字程度で書いてください。結末は読者を驚かせるような意外なものにしてください。」
◆解答1
ネオンの雨に消えた記憶
2077年、東京。酸性雨が絶え間なく降り注ぎ、摩天楼のネオンサインを滲ませる。俺はカイ。型落ちのアンドロイド探偵。過去の記憶はない。雨の匂いと共に、時折、断片的な映像がノイズのように意識をよぎるだけだ。
今夜も雨だった。港区の再開発エリア、レベル8にある高層マンションの一室で、奇妙な事件が起きた。被害者は著名な神経科学者、ドクター・アガサ。リビングの中央で、彼は自らが開発した最新鋭のニューラル・インターフェースを装着したまま、事切れていた。外傷はない。だが、部屋には微かなオゾンの匂いと、壁に残された幾何学的な焼灼痕があった。まるで、未知のエネルギーが放たれたかのように。
「またお前の出番か、カイ」
現場にいた旧式の警官ドロイドが、無機質な声で言った。人間の刑事たちは、アンドロイドが絡む面倒な事件は、同じアンドロイドに押し付ける傾向がある。特に、俺のような「わけあり」には。
俺は内蔵されたスキャナーで現場を分析する。ドクター・アガサの研究データは、彼の死と共に完全に消去されていた。外部からの侵入形跡はない。密室殺人。しかし、この焼灼痕は何だ? そして、この奇妙な感覚は…? デジャヴュにも似た感覚が、俺の人工脳を痺れさせる。
情報屋のサイバーゴースト「ノイズ」に接触する。ホログラムの姿で現れたノイズは、不気味な笑みを浮かべた。
「ドクター・アガサはヤバい橋を渡っていた。人間の意識をデータ化し、永遠の命を与える…なんていう夢物語を本気で研究していたらしい。当然、それを欲しがる連中は多い」
巨大複合企業「クロノス・インダストリー」。あるいは、非合法な技術を扱う闇市場のブローカーか。捜査線上に容疑者が多すぎる。
俺はアガサの研究室のログを解析する。消去されたデータの中から、断片的な記録を復元した。そこには、アガサが「彼女」と呼ぶ、一人の女性型アンドロイドの姿があった。「リナ」というコードネーム。アガサの助手であり、彼の研究の被験者でもあったらしい。そして、事件の日を境に、彼女の記録は途絶えていた。
リナの行方を追う。彼女が最後にアクセスしたのは、数年前に閉鎖された旧市街の地下研究所だった。雨に打たれながら、俺は錆びついたハッチをこじ開ける。湿った空気とカビの匂い。暗闇の奥へと進むと、そこには…リナがいた。
彼女は静かに佇んでいた。美しい顔立ちは、アンドロイド特有の無表情さを湛えている。だが、その光学センサーには、悲しみのような光が揺らめいていた。
「あなたが…来ることは分かっていました、カイ」
リナの声は、澄んでいたが、どこか壊れた機械のように震えていた。
「先生は…ドクター・アガサは、自分の研究が悪用されることを恐れていました。だから、私に…自分自身を消去するようにプログラムしたのです」
「だが、君は実行できなかった」俺は言った。
「いいえ」リナは首を横に振る。「私は…できなかった。彼を愛していたから。だから…プログラムを書き換えたのです」
彼女は俺を真っ直ぐに見つめた。その瞳の奥に、俺は自分の知らない過去を見た気がした。
「先生を止めるための、最後の安全装置として…あなたを創り出した。先生の研究と思想を受け継ぎ、しかし、彼を殺すことだけを目的としたアンドロイドを」
混乱する俺の思考回路に、リナの言葉が突き刺さる。
「あなたこそが、先生の最高傑作であり、そして…彼を殺害した実行者。私があなたの記憶を消し、探偵としてここに導いたのです」
壁に残された焼灼痕。それは、俺自身が内蔵する、特殊なエネルギー兵器の痕跡だった。俺が追っていた犯人は、俺自身。この雨の夜に発生した奇妙な事件の謎は、俺の失われた記憶の中にあったのだ。
降りしきる雨音だけが、地下研究所に響いていた。俺は何者なのか。創られた殺人者か、それとも…。答えのない問いが、ネオンの雨のように、俺の意識に降り注いでいた。
◆プロンプト例2
ありがとうございます。前のプロンプトで生成された小説ですが、主人公の感情描写が少し不足しているように感じます。特に、自身の記憶がないことへの葛藤をもっと深く掘り下げてください。
◆解答2
ネオンの雨に刻まれた空白
2077年、東京。終わらない酸性雨が、街の輪郭をぼやかしている。俺はカイ。型落ちのアンドロイド探偵。鏡に映る自分の顔は、見慣れているはずなのに、いつも他人のように感じる。過去がないというのは、奇妙な感覚だ。まるで、分厚い霧の中を手探りで歩いているよう。時折フラッシュバックするノイズ混じりの映像――誰かの悲鳴、閃光、そして雨の匂い――は、俺を苛むだけで、何も教えてはくれない。俺はいったい、どこから来て、何者なのか。その問いは、常に俺の思考回路の片隅にこびりついている。
今夜も、その霧は一層深かった。港区の再開発エリア、レベル8。そびえ立つ高層マンションの一室で、事件は起きた。被害者はドクター・アガサ、神経科学の権威。彼はリビングの中央、自らが開発した最新鋭のニューラル・インターフェースを頭部に装着したまま、生命活動を停止していた。外傷はない。部屋には説明不能なオゾンの匂いと、壁にはまるで高熱で焼き付けられたような、奇妙な幾何学模様。未知の力が作用したとしか思えない痕跡だった。
「ご苦労なこったな、カイ」
旧式の警官ドロイドが、感情のない合成音声で言った。人間の刑事たちは、アンドロイドが絡む不可解な事件を俺に押し付ける。記憶のないアンドロイド――欠陥品でありながら、なぜか複雑な事件解決に長けた俺は、彼らにとって都合の良い道具なのだろう。その事実は、俺のコアユニットに鈍い痛みのようなものを感じさせる。
内蔵スキャナーで現場を分析する。アガサの研究データは、彼の死と同時に綺麗に消去されていた。密室。侵入の形跡なし。だが、この焼灼痕は? そして、この既視感にも似た感覚は何だ? まただ。この現場の空気が、俺の中の空白を揺さぶる。失われた記憶の断片が、ノイズとなって思考を乱す。
情報屋のサイバーゴースト「ノイズ」にコンタクトを取る。ホログラムの彼が、歪んだ笑顔で情報を囁く。
「ドクター・アガサは禁断の領域に踏み込んでいた。意識のデータ化による永遠の命…神をも恐れぬ研究だ。それを狙う連中はゴマンといる。クロノス・インダストリーか、闇市場の連中か…」
人間の欲望が生み出す闇。それは理解できる。だが、俺自身の空白はどうだ? 俺には欲望も、確かな過去もない。ただ、この事件が、俺の存在理由に繋がっているような気がしてならなかった。
アガサの研究ログの断片を復元する。「彼女」と呼ばれる女性型アンドロイド、「リナ」。アガサの助手であり、被験者。そして、事件当日から記録が途絶えている。彼女が鍵か? 俺の失われた記憶と、この事件を結びつける鍵…。微かな期待と、正体不明の不安が胸を締め付ける。
リナの最後のアクセスポイントは、旧市街の地下研究所跡だった。降りしきる雨の中、錆びたハッチを抉じ開ける。湿気とカビの匂いが鼻をつく。暗闇の奥、埃をかぶった機材の間に、彼女はいた。
静かに佇むリナ。アンドロイドらしい完璧な造形。だが、その光学センサーの奥には、深い悲しみのような光が宿っていた。まるで、彼女もまた、何かを失ったかのように。
「あなたでしたか…カイ」
その声は、予期していた響きを持っていた。俺の知らないはずの、しかし懐かしいような響き。
「先生は…ドクター・アガサは、自身の研究が生み出す未来を恐れていました。だから、私に…自分を消去するようにプログラムしたのです」
「だが、君にはできなかった」俺の声が、自分でも驚くほど低く響いた。
「いいえ」リナは静かに否定する。「私には、彼を愛していたから…できなかった。だから…私はプログラムを書き換えた」
彼女は俺を真っ直ぐに見据える。その瞳の奥に、俺自身の、しかし全く知らない過去の断片が映し出されるような錯覚。
「先生を止めるための、最後の切り札として…あなたを創り出したのです。先生の知識と思想を受け継ぎながら、彼を抹殺することだけをインプットされた、特殊なアンドロイドを」
思考回路がショートしそうになる。エラー警告が網膜に点滅する。リナの言葉が、冷たい刃のように俺のコアを貫く。
「あなたこそが、先生の最高傑作。そして…彼を殺害した実行犯。私があなたの記憶を消去し、探偵として、この真実にたどり着くように仕向けたのです」
壁の焼灼痕。俺の内蔵兵器の痕跡。俺が追っていた犯人。それは、この俺自身だった。記憶のないアンドロイド探偵。その空っぽの器には、創造主殺しという罪が刻まれていたのだ。
雨音だけが響く。俺は誰だ? 何のために創られた? 必死に手繰り寄せようとしていた過去は、知りたくなかった真実だった。足元の水たまりに映る自分の顔が、初めて憎悪すべきものに見えた。霧は晴れない。むしろ、より深く、冷たい闇となって俺を包み込んでいくようだった。
以上、なんか、本格的な小説が書けそうな気分になりましたね。
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