”人間らしく生きる”ために、先ず自身に必要なことは、自身の
”心””体””頭”を鍛えることと”人”を知ることだと思っています。

”人”を知ることは、本当に素晴らしいことだと思います。

是非、皆さんにも知っていただきたく、このシリーズを設定致しました。

人を知るって素晴らしい 今回は髭オヤジ先生

忘れもしない。
小学校の卒業式も終わり、解放感の中、友達と思いっきり遊び惚けていました。

得意の自転車3人乗りをして移動中、今度入学する中学校の校門通過、
「こらあ~!」と大声と共に、髭オヤジが走って追いかけてきました。

小生ら、自転車を一回減速させてしまったため、加速して逃げることができず、
捕まってしまったのでした。

今、覚えていることは3人とも思いっきり背中を手で叩かれたことです。
たぶん、髭オヤジも相当手が痛かったのではないでしょうか?

そして、運命の日。
入学式の時、1年1組の担任がその髭オヤジだったのです!

更に入学式後のガイダンスで、なんと担任の髭オヤジが
「この中で入学前に自転車で3人乗りしていて、俺に怒られた者は立て!」
何んと、小生は入学前から、この髭オヤジ先生から怒られていたのです。

髭オヤジ先生、その頃はもう50歳は過ぎていたと思いますが、
少し前まで、”鬼”と言われるほど怖かったそうです。
拳骨、びんた、当り前。剣道部の顧問だったため木刀まで振り回していたそうです。

それでも、先輩たちはその髭オヤジ先生をとても慕っていて、卒業してからも
皆さん中学校に会いに来ていました。

今では禁句ですが、愛の鞭だったのだと思います。
髭オヤジ先生は、普段はほんと優しい目で生徒をいつも見ていました。

小生、中学1年の時、髭オヤジ先生に何回か拳骨をもらっていますが、
全然さわやかな印象しかなく、嫌な思い出ではないんですね。
むしろ、怒られながら、先生の髭、だいぶ白髪があるななんて見てました。

もう一つ、千葉習志野の自宅に遊びに呼んでいただいたことをよく覚えています。
子供ながらに、とても歓待して下さったことに感謝をしました。

中学2年3年は担任は替わってしまいましたが、社会科の授業の度にお会いして、
何かと可愛がってもらいました。

中学校を卒業して高専の時、何度か中学校に髭オヤジ先生に会いに行きました。
夏、先生はプールから上がってきて、職員室で椅子に座って床に水を滴らせながら、
いっしょにビールを飲んだことは忘れられません。
確か、2人で大瓶3本は飲んだと思います。小生は、まだ17歳でした。

先生は、世の中の一般常識よりも、愛情を大切にしていたんですね。

その後、何年かたって先生は定年退職しました。
残念ながら、教頭や校長にはならなかった、なれなかったのです。

毎年柔道部のOB会に招待されて、顔を出していました。

小生も柔道部だったのですが、遠くに住んでいることもあって、参加したことは
ありませんでしたが、兄がOB会の会長をやっていて、いつも先生を接待するそうですが、
会う度に「公徳はどうしてる?」とか「公徳は元気か?」とかで、兄の心配は全くして
くれないと嘆いていました。

写真を見せてもらうと、髭は真っ白になっていました。

そして、何年か後、兄から髭オヤジ先生が亡くなったことを知らされました。

小生、空を仰ぎました。

学校の先生というのは、勉強を教えるだけではなく、偉そうな教訓を述べるだけでなく、
人間らしく生きることも教えてくれるんだなと思ったのです。

小生、今、歴史がとても好きなのは、髭オヤジ先生の影響かもしれません。

先生、どうか、我々をいつまでもあのあたたかい目で見守っていて下さいね。

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