小生、数年前まで、名のある哲学者、宗教家、歴史的人物、著名人から
「人」を知ろうとしていました。

自分が生きていく上でとても良い指標になると思ったからです。

ところが、ここ数年、改めて気が付いたことがあります。

廻りに目をやると、手を合わせたくなるような立派な考えや行動をされる
おじいさん、おばあさん、おじさん、おばさんがいっぱいいらっしゃります。

体から出ている力、「人生を生きてきた!」という力をものすごく感じます。

このような方々を今後「輝く人」と呼ばせていただきます。

今回紹介するのは、パートの便所掃除のおばさんです。

『ソニーの井深大さんが社長時代、最新鋭の設備を備えた厚木工場ができ、
 世界中から大勢の見学者が来られました。

 しかし一番の問題だったのが便所の落書きです。
 会社の恥だからと工場長にやめさせるよう指示を出し、工場長も徹底して
 通知を出した。
 それでも一向になくならない。
 そのうちに『落書きをするな』という落書きまで出て、しょうがないかなと
 諦めていた。

 するとしばらくして落書きがなくなりました。

 その理由は、パートで来てもらっている便所掃除のおばさんが、
 かまぼこの板二、三枚に、

 「落書きをしないでください。ここは私の神聖な職場です。」
 
 と書いて便所に張ったんです。

 それでピタッとなくなりました。』

この話を聞いた時、このおばさんの自分の仕事に対する真剣度と
誇りを感じました。

おばさんはとても丁寧なトイレ掃除をしていたのでしょうね。

ふだん、掃除を手抜きしていれば、おそらく「かまぼこ板のメッセージ」は
なんの効力も発揮しなかったはずです。

どんな作業や業務であれ、与えられた仕事は神聖なもの。
安易に逃げたり、不満不平を漏らさず、一生懸命にやる。

そんなことを気づかされました。

まさしく、こういうおばさんこそが、「輝く人」だと思うんです。

この「輝く人」が掃除した金隠しは、金のように輝いているんでしょうね。

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