「わたしは駅が好き。ドラマがありますもん。」
この言葉、小生の琴線に触れました。

今回は上野駅。

何故、上野駅にドラマがあるのでしょうか?

それは上野駅は北国への出発駅であり、北国からの終着駅だからだと小生は思うのです。

特に1982年東北・上越新幹線が開通する前の上野駅は、24時間中ドラマが
繰り広げられていた様に思います。

その頃の上野駅の一番大きな中央改札は20以上の切符切り入口があり、
その上には特急・急行の文字や行先が書かれたいろいろな色の薄い鉄板が
非常に長い太い鉄線に何十枚もぶら下がっていました。

もうそれが遠く北国の匂いがするドラマでした。

また、場内放送は、引っ切り無しに出発列車と到着列車の案内をしています。

北国の地名がとても懐かしく感じられます。

在来線のホームは、高架ホームと地平ホームがあり、地平ホームは
13番線から18番線まで行き止まり方式で、改札口から列車の顔が
大きく見られるのです。

それぞれのお国訛りと同じで、列車にも顔があるんですね。
冬は全面雪だらけで、ほとんど顔がわからない状態のこともあります。

到着した列車の顔は旅を終えたばかりでちょっと疲れている、
出発する列車は希望に満ちている、そんな感じです。

特急はつかり:上野~青森 特急ひばり:上野から仙台 特急つばさ:上野~山形
特急とき:上野~新潟、急行ときわ:上野~平、特急北陸:上野~金沢、
特急あさま:上野~長野・・・・・。

地平ホームは各地方別で発着列車が概略決まっていました。

よって、各ホーム自体がもうお国なんですね。

13番線は秋田弁、14番線は青森弁、15番線は新潟弁、16番線は福島弁・・・と。

到着列車では、集団就職で初めて東京に来た集団就職の中学卒業生。
皆とても緊張しています。思わず頑張れ~と声を掛けたくなります。
都会に憧れやってきたピッピ―風の青年。
北国の方々って、寡黙ですが、皆イイ男なんですよね。
明らかに駆け落ちとわかる貧しそうな若いカップル。
行く場所はあるのでしょうか?
体よりでかい荷物を背負った行商風のおばあちゃん。
早く荷物が売れて軽くなると良いですね。
故郷に家族を置いて出稼ぎにきたお父さん。
作業着に長靴姿、せめて一杯奢りたくなります。
何故かどのホームにも、お迎えの人がほとんどいないんです。
あちこちでお国訛りが聞こえています。

出発列車では、お父さんお母さんと見送りに来た娘さん、
娘さんは、幕の内弁当とセルロイドのお茶、冷凍ミカンを待っています。
列車が走っても母親の手を握っています。
明らかに訳ありのちょっとけばいお姉さん。
故郷でゆっくり休んでくださいね。
楽しそうな親子ずれがひよこの最中を買っています。
お国のおじいちゃんおばあちゃんに会いに行くのでしょうね。
既に涙を流しているお上品な中年女性が1等車に乗り込みました。
国のお母さんが亡くなってしまったのでしょうか。
あちこちでお国訛りが聞こえています。

小生も冬休み帰省中、葛飾の実家の母親と大喧嘩して、新潟の学校に
夜汽車で帰ってしまったことがありました。
今でも覚えているのは、地下の薄暗い食堂で食べたしょっぱいラーメンの味と
急行佐渡新潟行きがホームを離れる時の甲高い汽笛の音です。

上野駅開業1883年(明治16年)から2021年(令和3年)の今日まで
いったいいくつのドラマがあったのでしょうか。

何故かそれを想うと、胸がキュ~とします。

「わたしは駅が好き。ドラマがありますもん。」

 

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