長崎から帰ると、家のポストに月刊新聞ダイジェスト12月号が
届いていました。

ざっと、ページをめくっていくとまず最初に目についた
記事がありました。
『核禁条約来年1月発効 「核兵器は非人道的で違法」』

数時間前に、帰途の飛行機の中で
“『焼き場に立つ少年』は何処へ 吉岡栄二郎著 長崎新聞社”
を熟読したばかりでした。

新聞のダイジェストは以下です。
『核兵器の開発や製造、保有、使用などを全面的に禁じる
核兵器禁止条約の批准国・地域が24日、条約の発効に
必要な50に達した。
条約は90日後の来年1月22日に発効する。
「核なき世界」を求める国際的な声に後押しされ、核兵器を
非人道的で違法だとする初めての国際条約が動き出す。

75年前の米国による原爆投下以降、米ソ冷戦下で国際政治は
核の力学で動き、人類を何度も破滅させるほどの核兵器を生んだ。
その兵器を道徳的に否定した核兵器禁止条約の発効は「核の時代」
において人類が手にした一つの到達点だ。
核兵器には誤作動や人的ミスの恐れが伴い、持つこと自体危険だ。
「偶発的に核戦争が始まりそうになったことが何度もあった」と
ペリー元米国防長官は証言する。』

これは素晴らしい!凄いことだ。
更に読み続けると

『「核の傘」の下にある日本は、「日米同盟の下で、核兵器を有する
米国の抑止力 を維持することが必要だ」 として批准していない。

「核禁条約が目指す核廃絶のゴールは共有しているが、わが国の
アプローチとは異なる」
加藤勝信官房長官は23日の記者会見で、条約参加を改めて否定した。
核廃絶で「戦争被爆国として、国際社会の取り組みをリードする」と
しながらも、北朝鮮の核開発などを念頭に「抑止力の維持、強化」を強調。
米国による「核の傘」が必要との立場を鮮明にした。』

国際問題、特に我々一般人の知らない軍事的駆け引きがある事は
わかります。
また、大きなアメリカの政治的圧力があることも分かります。

しかし、日本は長崎や広島の悲劇、世界で唯一の被爆国なんです。
長崎や広島の原爆資料館の展示を現役の首相や政府高官は観たことが
あるのでしょうか?
被曝して真っ黒焦げになった子供たちの姿を観たことがありますか?

長崎や広島にある原爆死没者追悼平和祈念館は、日本国立なんです。
国を挙げて原爆死没者の方々を追悼し平和を願っていながら、
世界に向けての行動はまったくとれていないとしか思えません。

日本人として、人間として、やるせない気持ちでいっぱいです。
『焼き場に立つ少年』のことを思うと胸が張り裂けそうです。

この件は、来週の”遠くへ行きたい広島”を語った後、
更に考えてみたいと思います。

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