”人間らしく生きる”ために、先ず自身に必要なことは、自身の”心””体””頭”を
鍛えることと”人”を知ることだと思っています。
”人”を知ることは、本当に素晴らしいことだと思います。
今回はシリーズとして、小生の人生観に大きく影響した五人の小説家を紹介致します。
小生の5年前に起きた出来事です。
『2017年、設計部OB会があり、小生の上司の部長だった方と映画“空飛ぶタイヤ”の
話題になった。自分としては最初さほど興味はなかったのだが、話をしている内に
にがい苦しい悲しい思い出が蘇ってきた。
その後、直ぐに小説を読み、そして映画を観た。
あまりのリアルなシーンに言葉を失い愕然とした。』
小説 “空飛ぶタイヤ”より
『「ひとりの人間として、ホープ自動車がしたことを許せるんですか。
そのために大勢の人間が無実の罪を着せられ、家庭が崩壊し、
子供達が夢を奪われる。こんなことがあっていいんですか?」』
当時、小説 “空飛ぶタイヤ” を読んだ後の小生の感想です。
『現在も、目を覆いたくなる耳を塞ぎたくなる上場企業の不祥事が多発している。
日本、日本人はいったいどうなってしまったのだろうか。
将来を担う子供達に申し訳ない。
小生、人間として、日本人として、正しい方向性を、技術的立場と人間学立場
から、近い将来に小説を書きたいと思っている。』
それから、しばらくの間、池井戸潤の小説を立て続けに読みました。
池井戸潤紹介
『1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年に『果つる底なき』で
第44回江戸川乱歩賞を受賞。2010年年『鉄の骨』で第31回吉川
英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』で第145回直木賞を受賞。』
特に、下町ロケットシリーズは、主人公・佃航平社長の考え方、生き方に
大きく感銘し、小説の全シリーズを熟読しました。
ここで、シリーズを通して、今でも印象に残っている名言を紹介します。
『「とかく組織でがんばってる連中ってのは、出世競争から外れると、魔法が解けたよう
に我に返ることがあるんです。いったい、オレはなにをやってたんだろうって。
人生にとって、もっと大切なものがあるんじゃないかってね。」』
『「今時誠実さとか、ひたむきさなんていったら古い人間って笑われるかも知れないけど、
結局のところ、最後の拠り所はそこしかねえんだよ」』
『「会社だって人と同じでさ。損得以前に、道義的に正しいかが重要なんじゃないのか。
相手のことを思いやる気持ちや、尊敬の念がなくなっちまったら、そもそもビジネス
なんて成立しない。」』
『「人の痛みというのは、与えたほうは忘れても、与えられたほうはなかなか忘れられ
ないものです。我々は誠意あるビジネスを心がけてきたし、実際にそれを実践してき
たつもりだ。下町のいいところは、そういう気持ちの通じ合う仕事、ができるところなん
じゃないのかい。」』
当時、小説 “下町ロケット”シリーズを読んだ後の小生の感想
『利益よりも人間としてもあるべき姿。
仕事の本来の目的。
人の好さ。
熱さ。
エンジニアとしてのあるべき姿。
全てを教えてくれた素晴らしい小説であった。
小生が日頃考えて目標にしていたことを、エンジニアとしての具体的な話として
教えていただいた。
どの文を読んでも心と目頭が熱くなる。』
今考えると、池井戸潤の小説は、小生が会社を辞める決心した時のバックボーンの
一つだった様な気がします。
そして、近い将来、小説”空飛ぶタイヤ PartⅡ”を書きたいと思っています。
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小生も池井戸潤と東野圭吾の小説は好きで良く読んでいます。
池井戸潤の “空飛ぶタイヤ” については、同じ想いで読みましたし、映画も観ました。やはり、当時のこととダブって辛い思い出が蘇ってきました。
この事件を教訓にして、同じ過ちは繰り返して欲しくないと願っています。
東野圭吾の小説じゃないけど、「素敵な日本人」を目指したいですね。
2017年3月にリコール制度に関して論述(Essay Writing)していますので、以下に紹介します。
リコールは、事故を未然に防止するという意味においては非常に有効な制度である。
また、自動車がより安全に走行するために不可欠な仕組みであり、リコール自体が悪いことで、あってはならないという考えは間違いである。
リコール制度があることによって、自動車メーカー(含む部品メーカー)のものづくり意識改革や技術力アップに繋がっていることは間違いはないと思うし、将来に向けても Made in Japanの技術と品質(ブランド)は世界をリードするだろう。
ただ、リコールに繋がるような不具合は極力減らしていくことが望ましいと考えている。
そのためには、使用する側においても法規を遵守させる(例えば過積規制)および点検整備を徹底させる仕組みを強化することも不具合を減らす方策だと考える。
つまり、使用者責任をより明確にすることである。
一方、自動車メーカーでは近年、法規対応に伴うコストアップ、重量アップを補うために、VA・軽量化が優先課題となっている。
また、商品性向上を目的にハイテク技術・新システム・新構造の製品開発を推進しており部品共通化も拡大している。
したがって、一端リコール届出をすると、真の原因追及と改善対応が高度化しているため時間がかかってしまったり、対象台数が高範囲(複数社にまたがる)になるケースが増加している。
したがって、メーカーは製品品質に対する社会的責任を強く認識し、開発~試作/生産評価~SOP~初期流動に至るまで、どんな小さいことも見逃さず品質を最優先にして次ステップに移行 することが重要である。
特に開発段階においては、ロバスト設計(使用・環境変化、劣化、もののばらつき)に徹する必要がある。
例えば、もののばらつきの場合は、
ベンチ試験を実施した製品の寸法とFEM解析の整合付けを行い、最大・最小寸法による解析を行うことでベンチ試験の結果、つまり寿命のばらつきを予測し評価することが重要である。
そして、お客様の使い方、環境変化を予測して試験条件を適正なものにしていくこともメーカーの役割・責任である。
つまり、想定外は理由にしない、出来ないという意識をもって取組むことである。
とにかく、リコールを未然に防ぐ、市場で不具合を発生させないという信念をもって、品質チェックの仕組みを強化し、常にアップデートすることである。
万一、市場で不具合が発生したら、最優先でその原因と対応検討を実行するなど、「全ての基本は CS NO.1」において、取り組むことだと確信している。