1.はじめに
小生が30年前に移り住んだこの地域で長年お世話になった長老について語りたいと思います。
小生を最初からとてもかわいがってくれて、地域の会合の後の懇親会はいつも小生を引き寄せて人生の教訓を話されました。
また、時々家にも呼んでくださって、いっしょにウイスキー「ジョニ黒(ジョニーウォーカー ブラックラベル)」を飲ませていただきました。
小生が小学校のPTA会長の時は竹細工教室を開いてもらいました。
先日、長老は96歳という大往生を遂げましたが、長老はジョニ黒を愛し、竹細工の名匠であり、昔話の語り部としても地域に知られた存在でした。
小生にとって長老はただの御近所さんではなく、人生の師でもありました。
長老から教わった「地元を大切にすること」や「人を大切にすること」という大切な教えを、このブログを通じて皆さんと共有し、長老が遺してくれた知恵と価値観を広めたいと思います。ブログを最後まで読んでいただくことで、長老のように地元や他者を思いやり、愛することの大切さを感じていただければ幸いです。
2.ジョニ黒への思い
長老はよく、「ジョニ黒は人生と似ている」と語っていました。ウイスキーが熟成して深みを増すように、人も年を重ねるごとに経験を積み、知恵を得るのだと。そしてその深みは、他者と共有することでさらに価値を持つと言っていました。長老の「ジョニ黒哲学」は、単に飲み物の味を楽しむだけでなく、その背後にある人生の味わいを共有することの大切さを教えてくれました。
3.竹細工に込められた心
長老は、地元では竹細工の名人として知られており、二科展にも出品しても良いほどの腕前を持っていました。長老の竹細工は、ただ美しいだけでなく、自然と共に生きる彼の哲学を反映していました。竹を素材にすること自体、自然を尊重し、その恵みを大切にする姿勢を示していたのです。竹は長老にとって、単なる素材ではなく、自然の一部であり、それを使って作品を作ることは、自然との共生を意味していました。
長老の作品には一貫して、無駄を削ぎ落とし、必要な部分だけを残すというシンプルさがありました。長老はよく「竹のようにしなやかでありながら、強さを持つことが重要だ」と語っていました。その言葉は、物事に対して柔軟に対応しながらも、決して自分の信念を曲げない強さを持つべきだという彼の人生哲学を表していたのです。
長老の竹細工はすべて手作業で作られていました。彼の手が一本一本の竹に触れ、丁寧に加工していく様子は、まるで竹と対話しているかのようでした。長老にとって、手作業で物を作ることは、心を込める行為そのものであり、その結果として生まれる作品には、長老自身の心が宿っていると言っても過言ではありませんでした。
また、長老は竹細工を通じて「人との関わり」も表現していました。竹細工の繊細さと強さは、人間関係にも通じるものがあり、細やかな気遣いを忘れず、時に強さを持って支え合うことが大切だと長老は語っていました。
3.昔話に込められた教訓
長老は昔話の語り部としても有名で、彼の話を聞くために多くの人が集まりました。長老が語る昔話は、笑いあり、涙ありの物語でありながら、いつも深い教訓を含んでいました。特に長老が繰り返し伝えたのは、「人を思いやることの大切さ」でした。昔話の中には、他者を尊重し、思いやりを持って接することが最も大切だというメッセージが込められていました。
長老の話を通じて、私たちは「他者を思いやる心」を自然に学んでいきました。そして、それはただ昔話の教訓に留まらず、実生活にも生かされるものでした。長老はよく、「昔話の登場人物のように、私たちも人生の中で困難に立ち向かい、他者との関係を大切にしながら成長していくのだ」と語っていました。
長老の昔話は、単なる昔の話ではなく、現代にも通じる知恵を含んでいました。長老は「昔の話だからといって、現代に無関係なわけではない。むしろ、昔の教訓こそが現代の問題に対するヒントになることが多い」と話していました。例えば、長老が語った「思いやり」の話は、現代の人間関係にも大きな影響を与えるテーマであり、今の私たちが忘れがちな価値観を思い起こさせてくれるものでした。
4.おわりに
告別式会場は、何かジョニ黒のような香しい雰囲気がありました。
そして、入り口のテーブルには思い出の写真と一緒に素晴らしい竹細工の籠が置かれていました。
祭壇に飾られた写真は、「こぴっとしろよ!」(山梨弁でしっかり生きていくんだよ!という意味)と言っているようでした。
長老、長い間ありがとうございました。
しっかり教えを守って生きていきます。
感謝、合掌。
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