これはノンフィクション物語です。

やっぱAIはプロンプト(命令文)が大事! 公開プロンプトでnoteの記事を作成 「若さはいらない。「渋い魅力」で女性を惹きつける方法とは?」 | 人生応援ブログ

に続くものです。それではどうぞ。

深夜、書斎の隅で古いアルバムをめくっていると、どうしようもない記憶ばかりが蘇ってくる。俺の人生は、一体何だったのだろう。輝かしい成功譚なんてものは、ほんの少し。そこにあるのは、顔から火が出るような失敗と、思い出すだけで頭を抱えたくなるような、数々の「やらかし」の記録だ。だが不思議なことに、そのどれもが、今となっては妙に愛おしく、まるで夜空の星屑のようにきらめいて見えるのだ。

あれは、まだ世の中の何もかもが輝いて見えた学生の頃。雪の降る前の、凍えるような新宿の夜だった。付き合っていた彼女の小さな手を引き、俺は少しだけ見栄を張りたかった。いつもより少しだけ大人びた自分を見せたくて、高層ビルの展望レストランへ向かうエレベーターに乗り込んだのだ。ガラスの向こうに広がる東京の夜景が、俺たちの未来を祝福してくれているようだった。

「チーン」という軽やかな音と共に扉が開く。その先に広がっていたのは、俺たちが知っている世界ではなかった。重厚な絨毯、磨き上げられた調度品、そして背筋の伸びたボーイが発する「いらっしゃいませ」。その声が、まるで異世界への扉を開ける呪文のように聞こえた。血の気が引き、喉がカラカラになる。「間違いました」。そう絞り出すのがやっとだった。

エレベーターの扉が閉まるまでの数秒が、永遠のように感じられた。情けなくて、格好悪くて、彼女の顔が見られなかった。だが、地上に戻り、二人で何の変哲もない町の中華料理屋の暖簾をくぐった時、彼女がくすくすと笑い出した。「あそこに入らなくて、よかったね」。その一言で、張り詰めていた空気が一気に弾けた。二人で腹を抱えて笑った。湯気の立つラーメンをすすりながら、俺は知ったのだ。最高のディナーは、値段や場所じゃない。こうして、くだらない失敗を笑い合える時間こそが、何物にも代えがたいご馳走なのだと。

社会に出て、少しばかり世の中の仕組みがわかった気になっていた頃、俺は人生の岐路に立っていた。転職した会社は、慣れないことばかりで、心はすっかり乾いていた。そんな時、一人の女性社員の笑顔が、まるで砂漠のオアシスのように見えた。彼女の何気ない優しさが、ささくれだった心にじんわりと染み渡っていく。いつしか俺の脳内に巣食う「勘違い」という名のモンスターは、日に日に大きく育っていった。

そして、ある夜。アルコールという燃料を得たモンスターは、ついに檻を破って暴れ出した。俺はスマートフォンの画面に、魔法の言葉を打ち込んでいた。「好きだよ~」。送信ボタンを押した瞬間の記憶はない。ただ、翌朝、その青い吹き出しが断罪の宣告書のように見えたことだけは、はっきりと覚えている。終わった。俺の社会人人生、第二章は、ここで幕を閉じたのだ、と。だが、人生という脚本家は、時々、我々の予想を裏切る奇妙な一手を打つ。恐る恐る出社した俺を待っていたのは、軽蔑の視線ではなく、以前と変わらない、いや、むしろ少しだけ面白がるような彼女の笑顔だった。その日を境に、俺たちは不思議と打ち解け、今では時々、酒を酌み交わす仲になっている。あの夜の暴走が、なぜか二人を繋ぐ奇妙な架け橋になったのだ。人生とは、かくも予測不可能なものらしい。

世界は広い、と思い知らされたのは、それからさらに数年後のことだ。会社の仲間たちと訪れたアムステルダムの夜。華やかなネオンが煌めく飾り窓通りで、仲間たちが次々と夢の世界へと旅立っていく。その喧騒の中で、俺は一人、全く別の、しかし人間として極めて切実な問題と格闘していた。トイレは、どこだ。仲間たちが人生を謳歌している間、俺は膀胱の平和という、ささやかな幸福を求めて石畳の上を彷徨っていた。

ようやく一息つき、目星をつけていた窓へ向かうも、時すでに遅し。やむなく隣の窓に飛び込むと、そこで待っていたギリシャ出身の女性に、男の誇りを根底から揺るがす一言を浴びせられたのだ。「ミニサイズ」。異国の夜空に、その言葉が冷たく響いた。だが、ここで引き下がるわけにはいかない。これは国際問題だ。俺は奥歯を食いしばり、最後まで日本の男としての意地と誇りを貫き通した。そして、韓国・釜山では、その甘さが仇となった。日本語で巧みに誘う美女に導かれるまま、気づけば有り金をほとんど巻き上げられていた。同期に頭を下げて金を借りた時の、あの情けない気持ちは忘れられない。だが、財布の底に数枚だけ残されていた紙幣を見た時、なぜか少しだけ笑ってしまった。これは授業料だ。世界は広く、俺はまだまだ知らないことばかりなのだと、釜山の夜が教えてくれた。

こうして振り返ると、俺の人生は失敗の連続だ。見栄を張り、勘違いし、騙され、打ちのめされてきた。だが、その一つひとつの傷跡が、今の俺を形作っている。シワの刻まれたこの顔は、後悔と、それでも何とか前を向いてきた日々の勲章なのだ。

アルバムを閉じる。窓の外は、もう白み始めている。完璧なヒーローにはなれなかった。だが、それでいい。失敗だらけの、この人生が、俺は結構、気に入っているのだ。

 

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