人として何が大切か、真の幸せとは何か
人間らしく生きる
折乃笠 公徳
今回は、下記目次の中の「2.私は何故わからなかったのか」の内容 についてです。
1.ストーリー
命題「人として何が大切か、真の幸せとは何か」に対し
1. 私は何がわからなかったのか
ぼんやりとしている問題意識をクリアにする
2. 私は何故わからなかったのか
問題を層別しねらいを定めるために現在の状況を事実で確実につかむ
3. 私がわかるための目標を作る
活動の狙いを定めて、成果をはかるものさしをつくる
4. 命題 私がわからなかったことを掘り下げる
真因をつかむために、現状把握で取り上げた問題点をさらに深く調査
5. 命題 わからなかったこととは
真因を発生させないために、対策とその実行計画を立てる
6. わからなかったことを解決するために
実行計画に基づき、対策を確実に実行する
7. 効果を確認する
目標に対してどのくらい効果があがったかを把握する
8. 更なる飛躍を考える
対策を実施した効果が元に戻らないようにする
9. 私は何がわからなかったのか
ぼんやりとしている問題意識をクリアにする
2.はじめに
「その5」では、「2.私は何故わからなかったのか」の要因を「自分」「自分以外」「環境」「思想」に分け、それぞれ要因分解を致しました。
更に「その6」 以降、「思想」について深く踏み入れ、要因の細分化を実施しています。
先ず、以下の系統図を御覧下さい。
今回は、一番下の応用科学の計算機科学、工学、医学です。
3.計算機科学について
1)宗教とAI (形式科学と一部ダブリ)
本件について、小生はとっても興味があります。
『「宗教」とは昔から人々の疑問に対し聖典や経典をもとに答えや教えを与える存在でした。
各宗派の人々は、神や仏が定めた教えが最適解だと信じ、その宗教を信仰しています。
科学主義者のような方々は、膨大なデータから算出されたAIの答えを信じ、神と崇める
考え方をされるかもしれません。
人々は今まで、答えがない問いに直面した時に“宗教”に答えを求めていました。
シンギュラリティ、つまり人類の知的能力を越す時、身近にいるAIに聞くことで解答が
得られるようになるのかもしれません。
そのように考えると、「シンギュラリティが到来することで、AIを神として崇拝しよう」
という考え方も生まれるでしょう。』
実は、小生、本件については、近い将来(2040年前)に必ず起こると思っています。
というのは、宗教はとても神秘的で神々しいものですが、根本はやはり
人が作ったものです。
ファジーな部分も多々あり、現在はファジーな人間しか理解(理解したつもり)
できませんが、シンギュラリティにより人間になったAIならば新しい宗教を
創造できると思えるのです。
4.工学について
1)折乃笠の私見
小生の本業は、工学であり、38年間大型商用車製造メーカーのエンジニアでした。
38年間の詳細内容は、工学→機械工学→自動車工学。
更にその内27年間は、自動車工学→シャシ機構工学(足回り)→ステアリング工学→設計工学。
ステアリング工学で言うと、その道のエキスパートとなり日本のライバル会社の
エンジニアたちと切磋琢磨して競い合い、友情を温め合ったと自負しています。
また、世界へ飛び出していって、各国のエンジニアたちと技術交流も頻繁にしました。
工業製品は、カスタマーファースト(お客様第一)であるべきと思っています。
お使いいただくお客様の幸せにする、世の中のためになる、生活を快適にする、
楽に働ける、お金が儲かる、楽しくする、ためのものです。
我々、エンジニアは常にこのことを頭に入れて仕事をすべきです。
ステアリングと言えば、失陥した時に人の命に係わる重要保安部品であり、
特に大型トラックの場合、重大事故に繋がるという装置です。
昔、某社の大型トラックのタイヤが空を飛んでしまったことを覚えていらっしゃるでしょうか。
安全最優先です。
よって、設計には細心の注意と高い技術力が必要で緊張感の毎日です。
そんな中で、エンジニアとして世界新、日本新の技術開発はエンジニア冥利に尽き、
徹夜続きも何のその、製品として送り出した時の喜びは、最高の幸せです。
まさしく、ものづくりの醍醐味ですね。
以上まとめると工学の使命は
・製品の安全最優先
・お客様第一主義
・世界一、日本一を目指す
・技術はロマン
・お金儲けも少々
2)改めて工学とは
この機会に改めて工学とはを問いてみたいと思います。
【出典 ウィキペディア(Wikipedia)】
『工学またはエンジニアリングとは、基礎科学である数学・化学・物理学などを工業生産に
応用する学問。
「真理の探究」を目指す基礎科学と「実用」を目指す工学の違いは絶対的ではない。
これらの分野では、基礎科学・基礎研究の成果が応用科学・研究開発の中へと
直接組み込まれている。』
現代では、超先端技術(例えば生命工学や量子コンピュータなど)は基礎科学と工学の
境目はまったく無くなっていると思います。
近い将来、大学の工学部はほとんど理工学部に替わる可能性がありますね。
3)工学の分類
【出典 工学分野】
『医用生体工学 応用物理・基礎工学 核融合・原子力工学
画像・音響工学 機械工学 経営工学 建築工学
材料工学 資源・エネルギー工学 情報工学
生産・システム工学 船舶・航空宇宙工学 通信工学
電気・電子工学 都市工学 土木工学』
上記は単独工学ですが、現代では複数の工学分野やまったく異なる科学との
融合分野が相当数あります。
4)工学と幸福
前項で工学の使命は、「製品の安全最優先」、「お客様第一主義」だと説明しました。
本命題「人として何が大切か、真の幸せとは何か」では、幸せになるための
手段、道具であると定義しました。
残念ながら、現実は、長年の工学の進歩は戦争兵器開発によるところが大きいんですね。
例えば、核兵器開発、化学兵器、宇宙航空兵器、電子兵器などなど、
数えれば切りがありません。
その目的は殺人です。
純粋にエンジニアを誇りに思ってきたものとして、ほんと悲しく残念です。
また、製造工程による大気汚染、海洋汚染、土壌汚染などもあります。
こちらも、人間どころか、地球上のあらゆる生物を絶滅させてしまう可能性があります。
工学は人間の一番の道具です。
人間の使い方によって、幸福になるか、不幸になるかが委ねられているのです。
2.医学について
1)はじめに
下記は、ある都市の一般の御婦人の投書です。
『全ての医療従事者の皆様へ
私達が病にかかり苦しみ弱気になっても側にいて励まし支えて下さる
皆さんがどれ程に心強いか。
実は家族が数年前に本当にギリギリの生死の危機から助けて
頂いた事もありました。
でも今は皆さんが心配です。
体調は大丈夫ですか?眠れていますか?
色々と不安ばかりの日々とお察ししますが自分達も出来る事をやり続け、
陰ながら応援させて頂きます。
早くこのウィルスが終息し日本に元気と笑顔が戻る事を
祈りつつ感謝の気持ちを込めて・・・
いつもありがとうございます!』
小生はこの投書を読んで、医学は人間の生死を決める最後の砦であると思いました。
そして、医療従事者の方々は、まさしく「聖職者」だと思います。
2)医学とは
この機会に改めて医学とはを問いてみたいと思います。
『(1)医療の目的
医療の目的は、患者の治療と人びとの健康の維持もしくは増進
(病気の予防を含む)である。
医師はこの職業の尊厳と重要さを十分に自覚することが大切である。
(2)医療は人類愛に基づく行為である
自分の利益のためにするものではなく、他人の利益のために行うこと、
すなわち奉仕であることを肝に銘じておくことが必要である。
したがって、医療行為は人類愛に基づく自発的行為で、医師は良心と
医の倫理に従って、医業を行うものである。
また、相手の身分や貧富の差、国籍、宗教などに左右されることなく、
すべての人の生命の尊厳を尊重し、博愛と奉仕の精神をもって医療に
尽くさねばならない。』
改めて、医療、医学の尊さが良くわかりました。
3)医学と幸福
ブータンの平均寿命は67.89歳 (2012年)と日本の平均寿命を15歳ほど
下回といいます。
それでも、国民の多くが自分は幸せであると答えるといいます。
一方、医療技術の発展とともに人間の寿命は驚くべき伸張を遂げてきました。
その恩恵を真っ先に受けている先進国は「長く生きることが幸福なのか」という
センシティブな問題を抱えているといいます。
医学は基本的に寿命をのばす方向に発展する一方で、倫理的な問題も含めて
考えていかないといけない時代がきているんですね。
つまり「医療行為は人類愛に基づく自発的行為」ということと
「それを受ける患者が長く生きること」を望んでいるかということです。
これは人間の尊厳、命の倫理に基づく超重要な命題だと思います。
まさしく本命題「 人として何が大切か、真の幸せとは何か」の中で
医学がどう位置付けられるかを考る必要があります。
3.まとめ
「思想」を因数分解し、更に要因の細分化を実施した時に
人の「幸せ」を考える → 哲学、宗教
哲学、宗教は、「幸せ」を定義し、「人はどう、『幸せ』に生きるか」という問いに
向きあうものである。
「幸せ」を実現する手段 → それ以外の学問
医学は「健康」から、工学は「モノづくり」から、「幸せ」を実現しようとする。
と定義しました。
この手段の中で、応用科学の工学と医学は、人文科学の心理学と並んで
最重要手段だということがわかりました。
4.今後の進め方
今回で「思想」を考える上での「人文科学」「形式科学」「自然科学」「社会科学」
「応用科学」が出そろいました。
次回は、そのまとめを実施したいと思います。
今からとても楽しみです。
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小生も大型商用車製造メーカーのエンジニアで同様の製品の設計を担当していたこともあって、折乃笠さんをはじめ多くのライバル会社の仲間たちと一緒に仕事をすることができて、技術的にも人間的にも大きく成長することができました。ほんとうに皆さんに感謝です。
小生が担当してきた製品も、ステアリング、フロントアクスル、リヤアクスル、ブレーキなど重要保安部品ばかりで、壊れなくて当たり前の世界だったので、緊張感をもって当たっていました。リコールもいっぱい経験しました。
でも、自分が設計した製品が世の中にでたときは、本当に最高の喜びでしたね。
小生が考える工学の使命は、
・ロバストネス設計
・ユーザー価値の最大化(独自性)
・会社への利益貢献(給料アップ)
・グローバルで通用する
・技術は夢を与える