ブログの題名は、映画『パブリック 図書館の奇跡』の中で、館長が警察に
言い放った言葉です。
この映画のストーリは
『米オハイオ州シンシナティの公共図書館で、実直な図書館員スチュアート
(エミリオ・エステベス)が常連の利用者であるホームレスから思わぬことを
告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。
大寒波の影響により路上で凍死者が続出しているのに、市の緊急シェルターが
満杯で、行き場がないというのがその理由だった。
約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、3階に立てこもった
彼らと行動を共にし、出入り口を封鎖する。
それは“代わりの避難場所”を求める平和的なデモだったが、政治的な
イメージアップをもくろむ検察官の偏った主張やメディアのセンセーショナルな
報道によって、スチュアートは心に問題を抱えた“アブない容疑者”に
仕立てられてしまう。
やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートと
ホームレスたちが決断した驚愕の行動とは……。』
スチュアート自身が、かつて、アルコール依存症となり、薬物中毒となり、
万引を繰り返し、また、ホームレスでもあったのです。
その彼を救ったのが、図書館であり、本を読むことによって、彼は、人生を
取り戻した。
そのことを、よく承知して、館長アンダーソンは、スチュアートを館員に
採用したのです。
ここで、映画の中で、特に心に残ったシーンを紹介します。
◆立てこもったスチュアートにメディアからの、意地悪な、悪意ある質問を
投げかけられます。
その時、彼の口から、紡ぎ出されたのは、ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』
の一節だったのです。
「ここには、告発しても足りぬ罪がある。
ここには、涙では表しきれぬ悲しみがある。
我々のすべての成功を覆す失敗がある。
飢えた土地真っすぐに並ぶ木々、力強い幹、
だが、民の前には失敗があり、飢えたものは怒りを募らせる。
人々の魂の中に怒りの葡萄がずっしりと実っている。
収穫を待ちながら。」
◆恋人 「本が好き?」
スチュアート 「命の恩人だ。立ち直らせてくれた。」
◆館長 「図書館が彼を救った」
◆スチュアート 「君の夢は?」
◆ホームレス退役軍人 「路上には自由がある。俺は金を持っていないが人から
恨まれたりすることはないし、自由がある。」
◆館長 「私は市民の情報の自由のために全人生を捧げてきた。
公共図書館はこの国の民主主義の最後の砦だ。」
館長はそう言い残して、ホームレスの立てこもりに参加する。
この映画の中では、いろいろな問題や訴えが含まれています。
・経済的格差。社会的格差。分断された社会。
・退役軍人は、かつて、国家のために戦った。
が、その後国家は、何の味方にもなってくれない。
・公立図書館の、あり方。その存在意義。
・そして、本を読むことの大切さ。
小生は、本、特に文学の力の大きさを改めて感じる事ができました。
文学には.一人の人間の人生を大きく変えるだけの力がある。
今回の映画は、日頃小生の頭の中で燻ぶっていたものを、
すっきり晴らしてくれました。
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