”人間らしく生きる”ために、先ず自身に必要なことは、自身の”心””体””頭”を
鍛えることと”人”を知ることだと思っています。

”人”を知ることは、本当に素晴らしいことだと思います。

今回は、なんと64歳で日本列島一周徒歩の旅をしたYYさんを御紹介します。

『1940年生まれ。1965年大学院修士課程修了、
 某高専助手、講師、助教授を経て、1985年同教授
 この間、教育の傍ら精密機械工学の研究に従事、
 2004年3月退職、某高専名誉教授。工学博士
 趣味:旅行〔徒歩〕、地図の鑑賞と製作』

な・な・なんと 当時、某高専の名誉教授だったのです。
そして、この旅を一冊の本にまとめているのです。

皆さん、今回は生の非常にためになる旅の話や楽しいコメントが
いっぱいありますよ。

旅に対するYY先生のコメント
『270日間8296kmの歩く旅…ただただ歩くだけ、こんな単純な動作の繰り返しだが、
 途中で得られた人との出会い、自然との出会い、土地の臭いは実に貴重だった。
 飛行機やクルマの旅とは違って、身の周りの環境は毎日ほんのわずかしか変わらないが、
 それらは繰り返されるので記憶から消えることはない。
 そんな日本列島一周徒歩の旅が終わって、いちばん強く感じたことは
 「日本はやはり小さな国だった」ということと、
 「千里の道もー歩から」という言葉の重みだった。
 この記録は徒歩の旅の魅力を伝えたいと思い、著者自身の体験を元に特に
 年配の人を対象に綴ったものである。』

折乃笠のYY先生 感
工学博士で博識があり立派なYY先生に対し、私の様な未熟者が“感”を
述べることはたいへん僭越でありますが、お許し下さい。
“◆”は折乃笠の率直な感想。『』はその理由、本文から抜粋。

1)先生の御性格
◆人徳があり、人望が厚い
『旅の問、家内や子供たち、いとこ、親戚、学生時代の親友、前職場の同僚、教え子、
 親しい知人などからたくさん励ましの便りをもらった。
 毎日が住所不定なので、今、どこ? などという様子伺いが多かったが
 やはりもらうと嬉しい。励みにもなった。』

◆感受性が豊か
『苫小牧市を6月18日に出発、襟裳岬に向かう。
 歩いていると、アスファルト道路の一部が盛り上がり、割れ目があるのが目についた。
 よく見ると、ススキの新芽がその割れ目からニョキツと頭を出している。
 どこでも見る光景なのだが、この時はそのススキの姿に力強さを感じてしばらく見入った。
 こんな弱いススキが堅いアスファルトを持ち上げ、そこから芽を押し出していたのだ。
 逆境に負けないで生きようとする強さを、そこに見た思いだった。』

◆お金の価値観がおあり
『毎日、毎日。8500円と考えるとバカにならないが、考えてみれば、自宅にいても、
 あれやこれやで一日に、3~4000円はかかる。
 知らない場所を観れて、珍しい物を食べ、知らない人と話をして、歩行の苦楽も体験して……」
 そんな自由な旅が270日間、230万円余りで出来るのだから、ある程度経済的に余裕が
 ある人にとっては決して高いものではないと思う。』

◆考え方に応用性がある
『帰路、犬を連れたおばさんと一緒になる。歩きながら雑談する。
 「つい最近まで、体重が90キロあったのよ。
 でも、こうして犬を連れて毎日散歩をするようになって、三ヶ月で18キロも痩せたの!」
 と言って嬉しそうだった。
 エッ、3ヶ月で18キロも。本当に犬と散歩するだけでそんなに痩せられるとなれば
 世の女性はもっと犬と散歩するようになるだろうに!などと余計なことを考えてしまう。』

◆たいへんおもしろい
 『歩きながら何を考えていたか? という質問をよく受けた。
 正直のところ歩いている時は何も考えていない。
 ラジオを聴く、景色を楽しむ、出会った人と話す、立ち小便をする、夕食に何を食べるか、
 ビールの味を想像する、等など結構忙しいのである。』

◆大酒飲み
『昼過ぎ大畑町の知り合い宅に着いた。
 知り合いの奥さんは都立航空高専勤務の親友、MSさんのお姉さんである。
 下北に行ったら是非立ち寄るように、MSさんに言われていた。
 1時間ほどお邪魔しての帰り際、お姉さんから、
 「Mには、余りお酒を飲まないようにと伝えて下さい」、と頼まれた。
 「はい」とは言ったものの、こちらも酒が好きだから、
 そんなことを伝える資格が無いので彼には伝えていない。』
  ※ここで出てくるMSさんは小生の機構学の先生でした。
『夜は民宿の主人の紹介と居酒屋に行き、しこたま飲んだ。』
『15年ほど前、学生の研修旅行の帰り長崎で自由解散した後、
 職場の仲間数人とこの港で船を降りた。
 桟橋も短く寂しい感じの漁港だった。
 小さい宿で、みんなで大ばか飲みをしたことが想い出される。』

◆おすけべ
『秋田県の女の人は色白でしかも美人が多い。
 街中を歩いていても、電車に乗っても飲み屋に入っても、若い娘さんや
 婦人は勿論「昔美人」だった年配の人でもみな同じである。』

◆下ネタがお好きである
『びろうな話だが、大便がしたくなり藪に入ったが、空高く大きな鷲(だと思った)が
 徘徊していて、いつ舞い降りてくるか分からない。』
『7月11日、雄武町と枝幸町の間を歩いている時、自分にとって大ハプニングがあった。
 トイレを借りた時、眼鏡ケースを下水溜まで流してしまったのだ。』
『びろうな話で恐縮するが、“うんこ”の体験談を一つお許し願いたい。
 相生駅を出発して国道二号を進んでいるうちに、急に便意を催してきた。
 車も少なく、恥ずかしいなんて言っていられなくなった。
 道路の脇の草むらでやるしかないと決断して脇に逸れた時、
 近くに小さな作業場らしきものが眼に入った。
 ちょうど、こらえの状態が少し楽になったので、
 あの作業場まで行ってトイレを借りようと頑張ることにした。
 ただただ、堪えることに神経を集中させて、そろり、そろりと進む。
 他のことを考えたら気が抜けて失敗しただろう。』 

2)折乃笠まとめ
“日本列島一周徒歩の旅”をあっと言う間に読み終わって、一番強く思ったのは、
 自分が日頃考えていること、自分がやりたいこと、やっていることが、同じだという事だ。

◆徒歩の旅の素晴らしさ
歩いてみないと、見られない、聞けない、話せない、味わえない、土地の臭いをかげない、
そして心が通じないことがたいへん多い。
そして、その土地の人、歴史、文化、生活習慣などがだいたい分かってくるものだ。

◆努力の大切さ
努力の積み重ねの貴重さ。「やる!」と決めたら目的に向かって努力を怠らない。
そして、廻りに言ってしまい自分が逃げられなくしてしまう。

◆歩くことが好き
時には歩くことだけが目的で、歩くことは素晴らしいことだ。
途中で、足や脚が痛くなり辛くなるが、気持ちの面では前へ前へと行きたい。
黙々とただ歩く。

◆折乃笠がうれしかったこと
先生は、大酒飲み、おすけべ、下ネタがお好きであること。自分と全く同じ。

今後小生が徒歩の旅を続ける上で、たいへん貴重な情報をいただいた。
そして“人間らしく生きる”という重苦しいテーマに対して、先生は小生の
心身をとても軽くして下さった。
“人間らしく生きる”とは、先ずは“自分らしく生きる”ことだと教えて下さった。

小生も、日本列島一周徒歩の旅がしたくなりました。

◆ホームページにお戻りの方が下記をクリックして下さい。
 http://orinokasa.com/index.html

◆御意見をいただける方は下記 Commentをクリックして下さい。