皆さん、こんにちは
今回は、「世界一過酷なモータースポーツ競技」ダカールラリー紹介 その3です。
本ブログでは、2022年1月のレースが終わるまで、1回/週のペースで
「ダカールラリー」を皆さんに紹介していきたいと思います。
その目的は、以下を紹介しながら、「人間らしく生きる」を考えていきたいと思っています。
1.ダカールラリーの素晴らしさ
2.日野チーム菅原の凄さ
3.菅原照仁さん、折乃笠が過去何をやってきたか
4.ダカールラリーの2021年~2022年の最新ニュース
5.近い将来制作のドキュメント小説『哲人 菅原照仁』のために
今回は、上記1.2.3を通して、初回出場から日野レンジャーがどのように
進化したかを紹介します。
記事及び写真の出典は、自動車技術会モータースポーツフォーラム参加論文や
雑誌レポートからの出典で、企業秘密漏洩で折乃笠の手が廻ることはありません。
1.はじめに
1)ダカ-ルラリ-とは
・カミオン(トラック)を使った数少ないモ-タ-スポ-ツ競技
・クロスカントリ-ラリ-の中でも最も過酷な耐久ラリ-
2)日野自動車の出場
・日本車史上初めてカミオンにて、1991年“13th パリ・トリポリ・ダカ-ル’91”大会に出場。
・2021年“43thダカール・サウジアラビア大会まで連続完走を果たしている。
3)日野ダカールラリー出場車
レンジャーFT、一般に4t積車と呼ばれる市販中型トラック・レンジャ-シリ-ズの
四輪駆動モデルの改造車
4)ラリー用カミオンの性能要求条件
(1)高次にバランスした高い耐久性と高速での悪路走破性の両立
(2)乗員が長時間にわたり集中力を維持する為、コンフォタブルな操縦性と乗心地の確保
2.歴史
1)’91 初出場
・7、10、14位 好成績
その後、車両動力性能の向上(エンジンの細かい調整、リヤボデーの軽量化等 )
リ-フスプリングのバネ定数変更等を実施
2)’94、’95年
・連続2位 を獲得
3)‘96年
仕様大幅アップ
①エンジン出力大幅アップ
②車体大幅軽量化:リヤボディーアルミバン
・結果 6、11位と振るわず
4)‘97年
‘96ラリー車の反省を踏まえ、開発方法&仕様を大幅変更
1)過去の優勝車(他社)と対比し路面状況毎に平均車速向上目標を明確化
・高速コ-スの車速向上策 : 更なるエンジン出力の向上と車両軽量化
・悪路での車速向上策 : 乗員の許容できる体感Gの目標値を
設定しサスペンション系の諸元を全面変更
2.改良効果の定量的な把握
・実際のラリ-コ-スを想定した路面をテストコ-ス上に再現し、
前任者との対比を実施
・更にドライバ-にも運転してもらい、定量値評価とドライバの
官能評価の整合性を確認しながら試験を推進
・結果 史上初のカミオン総合部門での1位・2位・3位独占を達成
5)‘97年~’09年
・サスペンションの仕様見直しなどマイナ-チェンジ的改良に留まるが、
技術的挑戦は継続的に実施を続けた
6)’10年 折乃笠初担当
’09年度3月(最悪の状況下で)対応方針
1)販売促進のため1台でも多く販売することが、事業回復、安定、収益確保の原点。
パリダカを通じ、ブランドを高め販売に寄与する。
2)挑戦することで「現場力」を、リーダーシップや チームワークで目標を達成することで
「組織力」を、向上心(継続)による「人間力」を得ることで、グループ結束力を図り、
苦境を乗り越える。
3)この開発を通して、技術部門のモチベーションを向上させ、技術力向上に繫げる。
ラリーレース結果
高温・高地・パウダ-状の重い砂の連続という更に厳しい条件下の中、並み居るモンスターマシンと激戦
2010年レース結果
総合順位 7位/52台
市販車部門 1位/34台
10L以下部門 1位/12台
ゴール直後 アルゼンチンブエノスアイレスゴール会場にて
17日間9000km走り抜いた直後とは 思えない程、お二人とも元気
ドライバー 菅原照仁
ナビゲータ― 鈴木誠一
チーフエンジニア 折笠公徳
ゴールセレモニーのレポート
現地レポート「2010/01/17 BUENOS AIRES ポディウム」より抜粋
『日野レンジャーが市販車部門・10リットル以下の2冠達成!
ブエノスアイレスでゴールセレモニーを開催し、2010年大会が閉幕。
ゴールセレモニーの会場となったのは車検会場と同じ市内の見本市会場「ラ・ルーラル」。
好天に恵まれ、気温は35度以上の暑さとなったが、数千人の観客が熱狂的な声援を送り、ダカールラリーのゴールに相応しい賑やかな雰囲気となった。
日野レンジャー2号車がポディアム前に到着したのは現地時間の午後3時半頃で、
市販車部門、排気量10リットル以下優勝のトロフィーを受け取った菅原照仁、鈴木誠一は
日本から祝福に駆けつけたダカール車両開発責任者の折笠公徳とがっちり握手。
1号車クルーの菅原義正、羽村勝美、5名の日野メカニックたちとともに声援に手を
振って応えていた。
厳しかった2回目の南米大会もこれで全日程を終了。
2号車ドライバー・菅原照仁のコメント
今回は結果を残さなければいけないという気持ちが強かったので、満足しています。
チーム全員が力をあわせて毎日壊れないよう、壊さないように走る積み重ねでした。
次回はアフリカの可能性もあるようですが、南米の厳しい路面の方が日野レンジャーに
有利なように思います。
日野自動車技術管理部・折笠公徳部長(車両開発責任者)のコメント
ゴールを見て感動しました。
関係各社のみなさんにお世話になりながら1年間総力を挙げてやってきましたが、
この結果を見て、正直頑張れたかなと思います。
トラブルもありましたが、必ず来年に繋げたいです。
7)’11~’21年
日野レンジャーのここ10年の進化は凄いものがある。
先ず、中型トラック用エンジンから大型トラック用エンジンへ。
車両をアメリカ向専用の中型トラックに変更。
理由はエンジンや人が乗る運転席が後方になり、前輪後輪の重量バランスが
良くなり、ハンドル操作性や発進性を向上。
3.’22年予測
今回から駆動用モーターを装着し、発進時にエンジンとモーターを
両方駆動させて、ものすごいパワーを発揮。
2022年のレースでは、毎年常勝のクラス優勝はもちろん、世界の1200
馬力位の大型トラックがひしめき合うカミオン総合クラスで5位以内も射程範囲。
開発状況をビデオを御覧下さい。
約8分ありますが、見出すと引き込まれて最後まで魅入ってしまいますよ。
特に、6分過ぎの女性レポーターの試乗は、大笑いしてしまいます。
走れ!日野レンジャー “ダカールラリー”ハイブリッドマシン開発ストーリー
どうですか?迫力満点でしょう?
皆さん、是非いっしょに応援をよろしくお願い致します。
次回のブログは、ダカールラリー出場の目的など、ここでしか聞けないお話をします。
少しでも、読者の皆さんが元気になるようなお話をしたいと考えています。
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文章も内容もこちらが一番好きです。
家事育児も一段落、ほっとした深夜に見ていた「パリダカ」や「ツール・ド・フランス」「ウィンブルドン」…まさか「パリダカ」のあの日野レンジャーのサポートチームのチーフが公ちゃんとは…。
F1ももちろんカッコいいけれど、大型トラックも本当にカッコいい。乗ってみたいです。
みゆちゃん
コメントありがとうございます。
この文章の内容は、自動車技術会主催のスポーツフォーラムで論文発表した文章をモディファイしています。
乗ってみたい?
菅原の照ちゃんとは友達なので、もし乗る機会があったらお声掛けします。
ただし、加速感、乗り心地で、ちびるで~!(笑)