現在、世界中で新型コロナウィールスが猛威を振るっており、
日本をはじめ各国はその対応に国を挙げて実施しています。

今から125年前、日清戦争が終わり、コレラやチフスが荒れ狂う
中国大陸から帰還する兵士23万人余をわずか3カ月あまりで
壮大な大検疫を行った日本人がいます。
医師にして臨時陸軍検疫部事務官長・後藤新平(1857~1929)です。

今般、知人である方の音頭で、後藤新平勉強会が発足されました。

命題は「なぜ後藤新平がなしえて現代に生きる私たちができないのか」

小生、この命題にとても感銘を受け、参加させてもらうことにしました。
メンバー全12名、半分以上の方は小生の知らない方々です。
大学教授を始め、禅宗老大師、他皆さん知識人のそうそうたるメンバーです。
月に1回、ホームページのチャットを使用しての議論です。

第二回目は、後藤新平が台湾民政長官就任(8年8ヶ月)中の
たいへんな状況下でも着々と成果を上げていく姿について議論しました。

小生の注目点は、台湾統治が上手く行った理由についてです。

 1.科学者らしい考え方と行動
 ①生物学の原則 : 自然科学的な層別方法
  ・鯛の目は両側に付いている、ヒラメの目は2つ共片側についている。
   それと同じで、日野人と台湾人は異なる。台湾人に適した対応が
   必要である。
 ②科学的な調査 : 科学者らしい現地現物主義
  ・現在の品質管理の「問題解決アプローチによる論理的・統計的な改善方法」
   と非常によく似ている。

2.政治手法 計画的で大規模で徹底的であった
  ・大きな事業では臨時の組織を作り、そこの長になる
  ・適材適所に有能な人材集め
  ・部下に実力を発揮させる
 このやり方は現代のトヨタグループで採用。BR〇〇室(部ではない、BR
 (Business Reform)組織。経験豊かな人材を時限的に重点配置し、
 将来につながる業務改革と人材の有効活用を図る仕組みとして、
 1993から導入した。

いずれにしても、当時の後藤新平の考え方、行動、仕事の進め方は、
現在に通じる非常に重要なものであった。先見の明があったと思われる。

今回の様に、歴史や昔の人を知ると言うことは、現在を見つめ直すのに
非常に有効である。
今回、メンバーの方々に先程の問題解決アプローチの資料を展開させていただいた。
是非、いろいろな事象(仕事、学問、趣味、生活、夫婦喧嘩解決等々)に活用して
いただきたい。
小生も宗教や哲学の活用について考えていきたいと思う。

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