人として何が大切か、真の幸せとは何か

人間らしく生きる

折乃笠 公徳

 

今回は、下記目次の中の「2.私は何故わからなかったのか」の内容 についてです。

1.ストーリー

命題「人として何が大切か、真の幸せとは何か」に対し

1. 私は何がわからなかったのか
 ぼんやりとしている問題意識をクリアにする

2. 私は何故わからなかったのか
 問題を層別しねらいを定めるために現在の状況を事実で確実につかむ

3. 私がわかるための目標を作る
 活動の狙いを定めて、成果をはかるものさしをつくる
4. 命題 私がわからなかったことを掘り下げる
 真因をつかむために、現状把握で取り上げた問題点をさらに深く調査
5. 命題 わからなかったこととは
 真因を発生させないために、対策とその実行計画を立てる
6. わからなかったことを解決するために
 実行計画に基づき、対策を確実に実行する
7. 効果を確認する
 目標に対してどのくらい効果があがったかを把握する
8. 更なる飛躍を考える
 対策を実施した効果が元に戻らないようにする
9. 私は何がわからなかったのか
 ぼんやりとしている問題意識をクリアにする

 

2.はじめに

3つ前の「その5」では、「2.私は何故わからなかったのか」の要因を「自分」「自分以外」「環境」「思想」に分け、それぞれ要因分解を致しました。

更に「その6」 以降、「思想」について深く踏み入れ、要因の細分化を実施しています。  

先ず、以下の系統図を御覧下さい。

2つ前の「その6」では、哲学、宗教が含まれる「形式科学」について報告しました。

1つ前の「その7」では、物理科学(物理学、化学)、生物科学(生物学)について報告しました。

今回は、社会科学です。
初歩の初歩から文献を読み、昔読んだ書籍をもう一度紐解きました。

 

3.社会科学とは

『社会科学とは、私たちが暮らしている「社会」を研究する学問分野です。
研究するのは、社会のルールと運営法、社会で営まれる生産・消費活動、
社会をつくるいろいろな組織とそこで起きる現象など、社会のあらゆる
「要素」が対象になります。』

何だか、とても簡単な気がしませんか?

 

4.社会科学の分野

先ず、社会科学にはどんな分野があり、その概要を知りたいと思います。

1)法学

社会の公平さと我々の生活の安全を保つためのルールを学ぶジャンルです。
法律は、国としてのカタチを整える術、人々の行動の規範や手順のモデル
でもあり、かつては万能視された時期もありました。

2)政治学

社会を円滑に運営していくための方策=国家の形態、政治権力、
それを生みだす人々の政治行動などを探求するジャンルです。
政治形態の歴史的推移や国家間比較なども重要な研究テーマです。

3)経済学

モノやサービスを交換するしくみ=「生産→流通→消費」の観点から、
世の中の人々のより良い暮らしを探求する分野です。
数理的な要素が強いこと、国際的な視点が重要なことが二大特徴です。

4)経営学

人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を
研究するジャンルです。
即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、
インターンシップ教育が盛んなのが特徴です。

5)社会学

家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、
そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった
現代的課題に迫るものです。

6)教育学

教育の本質を捉え、学校や職場、地域社会において人間の可能性を伸ばす
システムと技法を研究する学問分野です。老若男女すべての「学ぶ人」に
理想的な教育の環境を提供することが大目標です。

 

5.法律(法学)と幸福

法律は、我々の幸福ためにあるのではないかと思いますので、
先ず、法律の文献の中に「幸福」という言葉を探してみました。

1) 日本国憲法第13条

すべての法律のおおもとである日本国憲法の第13条には、
幸福を追い求めることは国民の権利であると書かれています。

『すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利
については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を
必要とする。』

ここで、疑問視するのは、全ての日本人がこの日本国憲法第13条を知っているか?
知っていたら、どのような場面で使うのか?であります。

小生、5回繰り返して読みましたが、はっきり言って理解できません。

次に、もう少し簡単な法律の事例で考えてみます。

2) 高齢社会対策基本法

『高齢社会対策基本法(平成7年法律第129号)
国民一人一人が生涯にわたって真に幸福を享受できる高齢社会を
築き上げていくためには、雇用、年金、医療、福祉、教育、社会参加、
生活環境等に係る社会のシステムが高齢社会にふさわしいものとなるよう、
不断に見直し、適切なものとしていく必要があり、・・・』

この法律は、具体的に目的と手段がわかりやすい言葉で書かれていて
我々にも理解できますね。

3)考察

日本国憲法は、日本の最上位の法律である事から、大きな目的と考え方と行動規範を
示すのもであると思われますが、まったく分かりずらいですね。
「幸福」という観点では、とても美しく書かれていますが、「幸福」とは一体何を示して
いるのかがわからないと行動まで落とし込めません。

同じように、憲法9条「戦争の放棄」の条文が表現があいまいで、如何様にも
解釈ができてしまうのと同じですね。
きつい言い方をすると、日本国憲法は戦後「この民族は叩いておかないと
自分たちが脅かされる」ということで、価値観を変えようと適当に即席で
作った憲法を押し付けたものだといわれています。

一方、下位の法律になると、行動の具体性が出てくることがわかりました。
これらは、日本人が日本人のために自ら作ったものだからだと思います。
ただし、ここでも「幸福」の定義がわかりません。

結論は、法律から直接、我々の考え方や行動に結ぶ付けられる「幸福」を
語るのは難しいと思われます。

 

5.経済、社会と幸福

ここで、非常に興味深い論文に出会いました。

「何が人を幸せにするか?経済的・社会的諸要因そして倫理の役割復活
    岡部光明氏 明治学院大学『国際学研究』第 48 号」

冒頭に非常に興味深く、今後多いに参考になる文面がありました。

『人々を幸せにするものは何か。この問に対し、現代の研究者は様々な回答を準備している。
 ・経済学者は間違いなく「より多額の所得と消費」と答える。
 ・社会学者は「社会的支援の質,すなわち家族や友人のネットワーク」を強調する。
 ・心理学者は「性格・精神衛生・個人の心理状態が重要」と力説する。
 ・そして哲学者や宗教家は「徳(virtue:精神的・道徳的にすぐれた品性や人格)こそ
  幸せへのカギ」』

それでは、次に下図をご覧下さい。

横軸が年代、縦軸が一人当たりの実質GDPと生活満足度です。

生活満足度=幸福度と考えると、残念ながらいくら実質GDPが増えても、
日本人は幸福になっていないのです。

科学技術が発達し、モノは豊かになりました。
平均的に裕福にもなりました。
美味しいものも一杯食べられます。

でも、何かが足らない。

私が幼い頃、東京下町での生活レベルは現在に比べてはるかに低かったです。
それでも、明るく笑って家族が生活し、住んでいた町も御近所付き合いがあって、
明らかに今よりも何か人情味豊かな人たちがたくさんいました。

現代、経済が豊かになっても、何が足らないのか? 

私は「 日本人の心 」じゃないかと思うんですね。

今般の新型コロナ禍で足らない部分がより露わになったのではないかと思います。

それは、本来持っていた日本人の資質、自分より人を敬う心、おもいやり、勤勉、まじめ、
正直さが気臼になってきたこと、これまで隠されていた愚かさや醜さがあぶり出されれて
きたのではないでしょうか。

具体的に言うとまったくポリシーが感じられなくその場凌ぎでパフォーマンス先行の政治家。
国民に夜の外出を罰則迄設けて厳しく規制するにもかかわらず、自分たちは夜の街で
はしご酒です。

マスコミは注目度アップに始終して一般国民が不安になる事ばかり伝えている。

一般人は金をだまし取る犯罪迄横行している。

また、GoToイートで1000ポイントのために鳥貴族298円のメニュー一品だけ頼んで
差額を儲けている。

SNSでの個人攻撃、根性無しの悪意のはけ口です。

テレビのワイドショー番組で芸能人やスポーツ選手が出てきてコメンテータを務めて
まことしやかなコメントを偉そう顔をして話している。

今、真実が何で嘘が何かが全くわからなくなってしまって、自分を見失っているような
気がします。

これが日本人共通の幸福が感じられない原因だと思います。

 

6.教育と幸福

教育は、人の成長と深く関わり、飛躍した言い方をすると「幸福」になるために
あるのではないかと思うのです。

更に、教育は、個人の成長のためだけでなく、国や世界の将来を良くするための
人材を育てるという意味でも非常に重要だと思います。

教育は誰かから与えられるだけでなく、仕事に必要な最新の知識や
技術を身に付けるために、あるいはより豊かな生活を送るために、
常に自分自身を啓発するためのものだと思います。

私は、むしろこの「自分自身を啓発する」ことが、幸せを感じる、幸せになることに
とても係わりがあるように思います。
それは、知識や技術が高められ、より自分のものになるからです。

知識や技術を高められると、より自分の視野が広がって、多くの人と出会い、
多くの経験をして、更に多くのことを学んで、幸せを感じる確率が高くなると
思うのです。

また、とても大事だと思うのは、家庭教育です。

東日本大震災は、その廃れたと思っていた 「日本人の心」 すなわち道徳心や
倫理観が、まだまだ日本人の心の中にDNAとして立派に生きていることを
実感させてくれました。それは、日本の美しい自然や風土の中で培われた
先天的資質、という面もあったかもしれません。

震災に立ち向かった人々の中には、道徳心や倫理観を大切にした戦前の教育を
受けたおじいちゃんやおばあちゃんから、息子、孫へと継承された「日本人の心」
があったのだろうと思うのです。

それを培ったのは、戦前の「修身」教育であり、「修身」の骨格をつくった
[教育勅語]だったと思います。こうした心の教育があって初めて、相手への
思いやりや礼儀正しさ、秩序を守る心などが育まれたのではなかったのでしょうか。

ここで、教育勅語を紹介します。
『教育勅語は、明治天皇が近代日本の教育の基本方針として下した勅語。
1890年(明治23年)10月30日に下され、1948年(昭和23年)6月19日に
国会によって排除または失効確認された。』

具体的にどのようなことが書いてあるのかを知っている方は少ないのでは
ないでしょうか。

ここでは、教育勅語の内容である「12の徳目」について紹介していきます。

1【孝行】……親孝行をしましょう。

2【友愛】……兄弟、姉妹は仲良くしましょう。

3【夫婦の和】……夫婦は仲良くしましょう。

4【朋友の信】……友達は互いに信じあって付き合いましょう。

5【謙遜】……言動を慎みましょう。

6【博愛】……広く、すべての人に愛の手を差し伸べましょう。

7【修学習業】……勉学に励み、手に職をつけましょう。

8【智能啓発】……智徳を養い、自分の才能を伸ばすことに努めましょう。

9【徳器成就】……人格の向上に努めましょう。

10【公益世務】……世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう。

11【遵法】……法律や規則を守り、社会の秩序を守りましょう。

12【義勇】……正しい勇気をもって、国のために真心を尽くしましょう。

「12の徳目」は儒教的な道徳にもとづいていて、古くから日本に根付いていた考え方です。

現代に生きる私たちから見ても、違和感のない内容ではないでしょうか。
私は、この教育勅語を、このコロナ禍の中、是非復活させたいと思っています。

 

8.まとめ

以上、社会科学について、いろいろと考えてきました。

経済、社会、教育が、我々の幸福に大きく影響することがわかりました。

今後、分野間や他科学領域との係わりを考えながら、更に深く考えていきたいと思います。

 

9.今後の進め方

次は、「応用科学」について、勉強していきたいと思います。

本題のエッセイ第三弾「人として何が大切か、真の幸せとは何か」という観点で
メリハリを付けていきます。

 

10.引用 書籍や文献

1)書籍
(1)幸せのメカニズム 実践・幸福学入門 前野隆司著 講談社

(2)教育勅語の真実 伊藤哲夫著 致知出版社

2)文献

逆引き大学辞典 社会科学系統

幸福に関する理論的考察 ~社会福祉学のための基礎研究として~

「幸福」と法律

日本の大学 教育学系

知っておきたい教育勅語

 

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